2004/9/30 下北沢本多劇場
「春風亭昇太独演会 〜ムードデラックス〜 〈秋冬〉」
加藤隆也
春風亭昇太 「茶の湯」
春風亭昇太 「愛犬チャッピー」
中入り
モロ師岡 「漫談」
春風亭昇太 「富久」
さて、春風亭昇太独演会二日目〈秋冬〉です。
客電が暗くなって緞帳が上りルンバのテーマミュージックが流れると、「今日は一体昇太はどこから出て来るのだろうか」とみんなキョロキョロ。
客席とか、奥の出入り口とか色々と探していたら、なんと高座の裏に寝そべって隠れていたのでした。
大爆笑の中登場です。
すでに色紋付を着ていて生着替えはなし。
「おじさんと言われても構わない。ラップやっている奴等なんてどうでもいい。若い人たちをファンにしようとか考えた時期も合ったが、もう関係ない」と言う枕に深く頷くワタシ。
「もともと趣味だった落語を商売にしてしまったので、別な趣味に走った。例えばプロレスのマスク集め」で爆笑。
「一応は全部アクロンで押し洗いする」で大爆笑。
ということで趣味の話から「茶の湯」に。
「この噺はさげが美しい」と昇太もうれしそう。
ここでやっと恒例の生着替え。
「SWAのユニフォーム4番」。
前日は青だったがこの日は赤で袴は付けず。
SWAのユニフォームはお気に入りのようです。
「モモンガの桜丸をペットにしている。手乗りモモンガにしようとノ」と言う枕からお馴染み「愛犬チャッピー」へ。
さらりと熱演して中入り。
本日のゲストは、なんと、モロ師岡。
この人の芸は初めて見ました。「ワタシは売れたいと思ったことがありません」との名言を。
面白い。
貧乏臭さを芸に昇華しているのが凄い。
あえてトンチンカンなことを言いますが「スパークス」の兄、ロン・メェルを思い出しました。
昇太が出て来て開口一番「私とモロ師岡さんは同い年なんですよ」で場内一同驚いた。
それから、じっくりと「富久」。
幇間の久蔵が深川・按針町から、しくじった旦那が住む芝・久保町へ火事見舞いに行く道中の寒そうなことと言ったら。
上手いですねぇ。
長い噺をしっかりと聞かせてもらって大満足でした。
ただ、ご本人曰く「『富久』みたいな噺は年金用で、本当はあまりやりたくない。
『ちりとてちん』とか『壺算』のようなのが好き」とのこと。
判るような気もするけれど、古典のこってりしたのも、たまにはお願いしたいですね。
二日間、昇太を存分に堪能させてもらいました。
次は「感傷旅行」です。
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