立川流スターをお料理に比喩してみれば
大塚工
立川流を代表する4人の落語家を料理屋に例えて見ました。
○まず、家元の談志師匠。
料理人で言えば大名人。
彼の右に出る者はいません。
最近は遊びの領域に達し、ますます創作料理に関する探求心大。
しかし、ときどき失敗作も。
「ちょっと焦げちゃったんだけど食べてみるかい」
と言われて、断るお客は誰もいません。
その失敗作が筆舌につくしがたい味わいだから。
「今度そんなのがあったら、お焦げの破片でもいいから食わしてもらいてえ」
と、ほかのお客が思うほどの腕前。
○次に、志の輔さん。
彼は、店構えが大きく、しかも、いつもきれいに清掃されていて、店員の対応も落ち度が無く、とても気持ちよくおいしい料理を食べさせてくれる、高級でありながら親しみやすい店。
たくさんのお客を接待するのに適した雰囲気。
○志らくさん。
店主の気難しさに慣れてしまえば、本当に嘘の無い、真っ直ぐな彼の腕前を堪能させてくれます。
しかし、ある程度の礼儀を、お客もわきまえている必要があるかもしれません。
これはどこへいってもそうなんですけれど。
○最後の、談春さん。
カウンター越しに、主人の顔を見ながら、しみじみ話をしながらの食事が楽しめます。
直接手渡しで、作った料理を食べさせてもらえる感激は、かけがえのない喜びです。
ただ、最近お客が増えつつあるので、「もう少し店構えを大きくしたら」という声もちらほら。
同じ立川流でも、これだけ違う味わいがあるということを、私の実感として書いてみました。
さて、皆さんはどんな風に感じていらっしゃいますか?
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