8/24 本多劇場 ナイロン100℃「男性の好きなスポーツ」
三谷潤一
テーマがSEXなので、大笑いすると自分の嗜好まで疑われちゃいそう。
くすくすと忍び笑いをする感じになってしまう。
「笑う」という行為がはしたないとされた時代だと、こんな感じだったのかなぁと思ったりする。
長いことやってる劇団の本公演って客席に常連さんがいて、楽屋オチや劇団員プライベートネタに敏感に反応して無理に笑って優越感を漂わせていたりする印象があるのだけれど、そういうこともなく、お客さんのセンスの良さを感じたりもしました。
センスの良さは舞台もそうで、際どいシーンもないわけじゃないんだけど、全然いやらしくない。
そうかといって裸がやたら出てくるけど理屈っぽい前衛映画というのとも違う。
話はわかりやすいし、面白いんだけど生々しくはない。
そういうところが洗練されていて、粋。
バイアグラを欲しがる30過ぎの童貞会社員の会話とSEX講座で自分の嗜好は変態じゃないかと次々に質問する受講生達というのがおかしかった。
あの場面だけ切り取ってコントにしても面白いだろうなぁ。
テレビじゃ放映できないかもしれないけど。
ロマンチカのダンスが格好良かったです。
舞台もいろいろな見立てができて「あれ、舞台裏はどうなってんだろ?」という場面も何度かありました。
登場人物がみんなイヤなところ、というかダメなところのある人ばっかりで「いいなぁ」という人物はほとんどいないんです。
でも、しょうがないよなぁ、人間ってさぁ、切ないよなぁ、っていう感情移入はできる。
クサイのも泣けるのも感動モノも生々しいのも頭でっかちなのもウソ臭いのも見せびらかすのも説教臭いのも品がないのもカッコ悪いから、やりたくはないというギリギリの線を狙って創り上げて、でも「作り込みました、一所懸命」というのもカッコ悪いから、そういうのは見せないように、というバランス。
なかなかできることじゃない、名人芸という感じがしました。
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