05/04/08 内幸町ホール「すわ親治ひとり舞台5」
岡町高弥
4月8日、内幸町ホールで行われた「すわ親治ひとりコメディVOL5〜むしろそれが怖い〜」に立ち会えた観客は私を含めて幸せだった。
はっきり言おう、何年に一度といっていいぐらいの上質なひとりコントであった。
冒頭、「後ろが怖い」といって現れた瞬間吹き出してしまった。
すわ親治の佇まいだけで可笑しいのだ。
子供に童話を聴かせる怖い母親、
切腹し損ねて足に刃物を当ててしまう白装束の男、
兄貴の代わりに露天に立ち子供寄せ付けない怖いおっさん、
闇の事件は全部知っているとうそぶく不気味な男、
いずれも見事にはまっている。
ギターをもたせれば、甘い声で「黄昏のビギン」を歌い観客を魅了する。
師匠のいかりや長介との思い出話ではほろりとさせられ、
3歳児Tシャツの装着芸に度肝を抜き
「出番前」のコントで芸人の孤独を見せてくれた。
なんというか、参りましたとしかいえない。
登場人物のいずれも陰影にとんでいて、可笑しさの中に哀しみがある。
すわ親治の鍛え抜かれた演技は寸分のゆるぎもない。
さすが修羅場をくぐっている。
ラストに見せてくれたネコ車ダンスも絶品だった。
「至福の喜劇時間」といううたい文句に偽りなし、これだからライブめぐりはやめられない。
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