7/18(日)銀座ガスホール「夢の親子会5連発!!」
じむ福
なにしろ大銀座落語祭で一番に完売。
「一説によると、弁当が付いてるから」とインタビュアーの橘家蔵之助さん。
何だかんだいって、彼が一番奮闘です。
5組11名、落語協会長からブイブイ言わせてる若手(といっても三十路?)真打まで、海千山千の猛者たちへのインタビュアー、テキトーにリラックス
していて、これ以上の適役はいない、というくらい結構でした。
落語家の師弟って、一緒だとみんな照れちゃう、そこに蔵之助さんは、ときにボケボケ、ときに鋭く切り込んで、
「うちの師匠に何言わせんだよ!」
「そこまで言うか」
などとそれぞれの師弟愛をちゃんと引き出し、また、結構、いい男なんです。若い頃より、今(30代だと思うんですけど)の方が断然いいです。
円蔵門下だけに、その手練手管はタダモノではありません。
午後1時に始まって、終演8時半の長丁場。
彼が一番長く舞台に登場したわけで、お弁当タイムは3組目のさん喬親子の後に30分だったんですが、
「さ、みなさん、お弁当も済んでそろそろ眠くなる頃でしょうが、しっかりしてください」
というのは誰でも言いそう、この後の科白が、独り言のようなつぶやきで、
「長いですね。なんか髭はえてきちゃって」
と顎に手をやるなり、さらに小さな声で
「髭剃り持ってくればよかった」
・・・了見はもう「船徳」の徳さんです。
扇橋師匠に
「円楽さんとこのお弟子さん?」
なんてとぼけられて(扇橋師匠のボケを扇遊師匠がピシッとたしなめるの図は妙に可笑しかったです)も腐ることなく、さらに
「あ、そうそう。ごめん、あのときは。ほら・・・」
とここで、客席に向かって
「彼のファンがね、私のとこ来ちゃって。きれいな子でね。ホントごめんね」
と色男の扇遊師匠が言うならシャレになりませんが、黙っていれば品のいい俳諧の宗匠・扇橋師匠に言われる蔵之助さん。
いきなり師匠の話を遮るように前に立って、
「師匠、それ、ずーっと前の、昔のことですから、もう・・・ほんともう」
と師匠を抱きかかえちゃったり。
円歌会長が「マニアックなお客様」というつもりで「アニマック」と言った途端、
「師匠、マ・ニ・ア・ッ・ク」
と、そこいらの年寄に突っ込むよう、まるで平社員が取締役会長に「こんなこと言えるか?」っていう態度。
さすがに円歌会長の10倍もあろうという歌武蔵さんが「弟子が遠慮してんのに」と張り倒さんばかりに迫られるとか、ある意味、蔵之助大奮闘公演でした
top |