8/5 江東区三好雲光院「第29回10周年記念あおい落語会」
香代子
出演:柳家喬之進、柳家はん治、柳家さん弥、柳家さん喬
ややゃっ、、良かったです.非常に。
夜7時から途中30分の休憩を挟んで10時までの約3時間。
お線香の甘いかおりがほのかに匂い立つお寺の境内で落語という不思議な体験をしてきました。
噺家さんたちの落語の内容が面白かったのはもちろんのこと、私がいちばん面白く印象に残ったことは、なによりも、初めに出てきたここの住職さんのお話です。
少しかいつまんで話してみると。。。お坊さんたちの着ている着物には、夏の衣 冬の衣 春の衣 紗の衣と季節ごとにそれぞれあるようです(この日は浴衣姿のお嬢さんたちや近所の浴衣の子供らがたくさん観にきていました)
着物というものは一日中着ていても(着慣れてくると)例え夏でも すがすがしいものなのだと そう言いながらご自分の着物の袖を挙げヒラヒラと風が入る動作をしながら話されていました。
この、すがすがしいとか「す」から始まる言葉には、すこやか、すてき、すき、夏ならスイカ、寺ではスミレを育てていて(これは、たまたまだと言ってた)等々とてもいい意味を持つ言葉が多いと。
そしてまた、すけべという言葉もこれはこれで とても重要なことだと。
仏教では「すけべは自覚しろ」という教えのようですが、歌でも文学でも すべてここから「自覚する」ということから始まるというような話をしてくれました。
さしすせそを上手く使うとお説教もさわやかな感じになるなんてことも言っていました。
落語というのは浄土宗の坊さんがルーツだと言われているそうですね。
『古典落語の演目の多くには仏教の教え、情感、仏教的情操が織り込まれている。 笑いながらの心の安らぎ、リラックス仏教を体験して下さい』と寺報にも書かれてありました。
以前 私はお経というものは意味などわからなくていい その音の響く同じ空間の中に一緒にいる、ということが重要だという話をきいたことがあります。
昨日のお寺で、落語って なんとなくそんな感じ。
お経ではないけれど、神を奉ると言っちゃあ大袈裟なんだけど、私の好きな神輿の精神にも通ずる様な。。
みんなで笑いを共有しあえ心暖まり、同時に背筋がのびるような、身を清められた気ぃさえします。
休憩の間のお楽しみ抽選会も なかなか粋な計らいだと思いました。
浴衣姿の人には風鈴のプレゼントを住職が用意されていたり、葬儀屋提供のカステラが景品だったり!とお寺ならではのこと。
みんなも思わず笑ってしまう場面もありました。
この日は親子、夫婦で来ておられる方も多かったようです。
こういった場を通して、共通の話題ができ、そして人と人との絆がもっと深まれば...といった住職の心意気が伝わってきて、、、
いやぁ〜行ってみてよかった!
暑い夏、ひととき心の中に爽やかな風を感じることができました。
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