しもきた空間リバティ「絹8」
しもきた空間リバティ「絹8」
横浜にぎわい座 吉川潮著「流行歌・西條八十物語」出版記念、小沢昭一「西條八十」を歌う
六本木morph だるま食堂の「愛と笑いの日々」
東京芸術劇場小ホール
「鯉昇一門会〜鯉昇が瀧川になった記念〜」
お江戸日本橋亭「柳家三三と古今亭菊朗 vol.2」
東京キネマ倶楽部「カバレットキネマ倶楽部」
なかの芸能小劇場「心技体6」
新宿紀伊國屋ホール こまつ座「円生と志ん生」
なかの芸能小劇場「第四回落語教育委員会」
よみうりホール「第11回東西落語研鑽会」
●なかの芸能劇場「第4回落語教育委員会」
お江戸日本橋亭「新春こども寄席」
深川江戸資料館「漫性ろくまく宴」
横浜にぎわい座 「志の輔noにぎわい」
お江戸上野広小路亭「第39回 立川談笑 月例独演会」
「第11回 東西落語研鑽会」
新宿末廣亭 二之席 夜の部
「絹」礼賛 
第11回東西落語研鑽会
王子北とぴあさくらホール「立川談志独演会」
練馬文化センター小ホール「ミックス寄席百回記念」
渋谷シアターD 「なりあがり2005」
新宿明治安田生命ホール「志の輔らくご21世紀は21日」
新宿シアターブラッツ「バカリズムSPベスト」

バックナンバー


 
05/01/17 新宿シアターブラッツ「バカリズムSPベスト」

木村万里

寒風吹きすさぶ中、当日券待ちで並ぶ若者を横目に、地下の階段をトントン降りる。
全体的に、とにかく触発されることの多い舞台でした。
後で聞くと、当日立ち見の中に絹メンバーが何人もいたのだとか。
なにがなんでも見せたい舞台でしたが、満員御礼で入れず涙をのんだとか。残念。
次回は是非、早めにチケット手配を。
□バカリズムを含めた7人男子が、「力尽きてみよう」をテーマに、力尽きる。
落語家が本編に入る前に力尽きる、という具合に、落語が題材になっているのを見ると、
思わず、いいぞいいぞ、と呟く。
若者の間に、それが揶揄であれなんであれ、取り上げられるということはとりあえずは落語の玄関が広くなるということだから。
自販機で飲み物を購入しようとして力尽きる人、音響さんがリハーサルで音テストをしながら力尽きたり、
捨て犬を拾って連れて帰れば飼育禁止を告げられもとの場所へ、そこへ雨、他の人がその犬を飼ってくれそうになるのを電信柱の脇で見ていて力尽きる、のだったかどうだったか・・・これは、二楽さんの紙切り物語とだぶって記憶してしまったかもしれません。
工事現場でドドドドドと穴をあけてる最中に力尽きる人もいました。
力尽きる、というこの設定がどうしてこのように面白いのだろう。
去年のライブ「ボンタン狩り」の際も、次々に現れた人がさまざまなシチュエイションで力尽きていきました。
一生懸命、あるいは普通に時を過ごしている間に突如力尽きる瞬間がやってくる。
懸命じゃなくとも、なにげない場面でも力尽きることがある、という発想に、虚を突かれ、ワクワク。
つかなくなった風呂場のあかりの電球を交換しようとして力尽きる松下、
タレントの寝起きを襲うレポータ升野だって力尽きる。
いつだって、誰にだって突然の虚無はやってくる。
□うろ覚えシリーズ。
PTA父兄が集まって劇をやることになるという設定。
「金太郎」ってそう言えば、どんな人?なんでマサカリかついでるんだっけ?
マサカリてそもそも何?
□朝が始まる。人間升野は、目覚まし時計をとめ、起きあがり、カーテンを開けて洗面所へ。
目覚まし時計やカーテンは男子たちによって形作られ、演じられている。
ガチャッとドアを閉めて会社へ出かける升野。
さて、夜になりアパートへ帰宅した升野。
ここで、オチの一言、スパーンと決まる。
観客を裏切る小気味よさ。こちらの思いこみにしっぺ返しをするように。
アッカンベーをするように。
これはコントでこそ描ける強みです。
□奇妙な言葉が何を意味するかわからないうちに事態はどんどん進むコント。
ポリンコピンじゃないのか?ひょっとして。ンコピンかも。ガボンを受け取れるんだよね。
チョメリミ!
ありがたいお言葉を!とあたりの人に頼まれうろたえる男。
さあ、何を発すれば彼らの満足が得られるのやら。
とまどっていると。
「凡人だ〜」とガッカリされて。
チョメッコソミッコ。
落語「一眼国」を、ガバメントオブドッグス「色野球」を、思い出す。
自分の社会における位置が把握できずにとまどうコント。
もっと言うなら、自分が存在する意味・位置は、つまりはまわりの人の反応でしか掴めない、そんなふうによりどころがないのが人間なのよ、というシニカルな視点。
後ろに座る女子のお客さんが「わかんな〜い」とささやきあっていたのが、おかしかったです。
きっとまだ社会に出てないから、視点が掴みきれないのかな。
約2名、コントの意味を掴みきれずに敗退。いいのよいいのよ、わからない人もいてこそ面白い。
□うろ覚えシリーズ。
前回の「金太郎」が受け、今度は老人ホームを慰問することになりました。
「忠臣蔵」をやろうということになるのだけれど、それってどんな話だっけ?
とにかく「殿中でござる」って言ってりゃいいんじゃないの?
なんでもかんでも「殿中でござる」連発。
「この世に殿中のあるかぎり・・・」とまで。
□人生大喜利
笑いをとろうとして嘘をついたり絶対しない、が条件で始められるというだけで、やたらおかしくなる事実の羅列大喜利。
よくある大喜利への皮肉です。
血液型は?に始まって、お母さんの名前は?地元の名産品は?(石炭饅頭、飯ドロボー)、お年玉はいくらもらった?お母さんのバイトは?
いま住んでるマンションの名前は?(ラ・フローラ武蔵野5も高得点でしたが、ボンタン狩りのときと同様、優勝はアケセ荘)
ほんとにほんとだか嘘だかはこの際、関係ありません。
こういう設定を考えついたということ自体が面白い。
「おもしろいことをおもしろそうに言う」ことを皮肉っています。
□記憶喪失になった男の頭の中にはいろんな人物が現れて。
松下さん、アフロヘアーでマクガイアになりきりダンスを披露。上手〜。絹6でのロボット演技も大したものではあったけど、キレのいいダンスまでとは。
□うろ覚えシリーズ
「アニー」
□手術を控えた友達ヒラマツのために、B型の血液を求める友達。いいかげんなヌマゴシはどこまでもいいかげんコント。緊張と緩和。
□トリに控えし長尺コント「裏切りの六人」は、ラストにふさわしいコントでした。
真面目に緊迫感ある刑事コントを展開する黒服の6人にまじって、白いTシャツ白い半ズボンでいたずら妖精に扮するは、もちろん升野さん。
リコーダー片手に、緊迫した局面で、マジメ芝居をマジメ顔でおちょくります。
6人には見えてないという設定。
マジメであればあるほど笑い増幅。
最後の全員トークでは、ひたすらマジメに刑事芝居をマスターした6人。芝居の最初に死ぬ役柄の1男子は、
「オレ、最初にあっち向いて倒れてて、笑い声だけが聞こえてて、何をやってるのか見えなくて、見たかった〜」と。
悔しい気持ちがこちらにも伝わりました。
その後、ビデオか何かで、彼は自分が演じたコントのおかしさを堪能できたでしょうか?
心配です。
3/28〜、升野英知さん、NHK朝の連続テレビ小説「ファイト」に、竹中雅彦役で出演。
http://www.maseki.co.jp/main/Profiles/BAKARHYTHM/bakarhythm_sc.html
もう、地で充分いけましょう。

top

Copyright (C) 2003 marishiro

 

inserted by FC2 system