8/8 全生庵「圓朝まつり2004」〜池袋演芸場八月上席昼の部
三谷潤一
午前11時過ぎ団子坂交差点にはヤンキースのマークの入ったMATSURI のTシャツの道案内が数名。
その中に「要注意人物」のたすきをかけた文左衛門さん。
三崎坂を上ると全生庵入口には権太楼師匠。
「こちらはいっぱいなので、あちらへ」
と誘導の声掛けをしてるのは麦わら帽子の三三さんら。
中に入ると彦いちさんが板割りの呼び掛け。
「割って欲しいものの名前を書いて下さい」
既に書かれた板には「中国人」の文字が見える。
本堂の前では法要と扇子お焚き上げの筈。
マイクで何やら話しているのが聞こえ、まだ屋台は開始してない筈だが、そこは御愛嬌。
三太楼さんが「おしずかに」という札を持ってるのを見て、
客引きから一転して「ハイ、お静かに願います」と声を張り上げる彦いちさん。
「お前が一番うるさいんだよ」と突っ込む三太楼さん。
あうんの呼吸。
黒門亭クイズ王の屋台で筆記試験を受けるようそそのかす妻。
そこへ早押しクイズをやりたいと手を挙げる小学生。
それでは、と早押しクイズに参加する。
「この噺家はだれでしょう?」と落語の音声が流れ、さっぱりわからない。
「まだ生きてます。最寄り駅が山手線内。」という蔵之助さんのヒント。
お隣の方が「柳家小三治。」
正解で−す、だって。
オレは今まで何を聴いてきたんだろう。
真面目にボケちゃった後はもうわざと間違えるゆとりもなく、
勝ち抜けもできず小学生と一緒に残念賞のうまか棒を貰う。
しかし、あの小学生は末恐ろしい。
声当てクイズに「古今亭志ん駒」を連発していた。御親戚?
福扇を買う列に並ぶ。
がらがら回して外れ。
時蔵のちんちろりん。
妻がCDを当てる。
林家の牛めしに並ぶ。
並んでいる間に売り切れる。
隣の焼き鳥丼を汗だくで売る志ん馬さんが声を張り上げる。
迷ったけれど小三治一門のライスカレーに乗り換え。
暑いけど、高座で見かける顔が本当にあちらこちらに。
これは落語協会のファン感謝デーだなぁ、と思いながら食事を済ませる。
アサダ先生は手品を見せては、その道具を出して「はい300円。」
三つ買ってしまった。
直接手品を拝見できるのだから900円くらいで退散するのはいかがなものかという気持ちと、これはキリがないぞと警戒する気持ちとが向き合って、一文惜しみに押し切られる。
「今日は高座が二つあるから体力を温存しなきゃいけないのに、あんたが話し掛けてきたから休めない」
とぼやかれていた。すいませんでした。
芸人プロマイドの袋を引くとさん生さんの笑顔のアップ。
クイズの出店にいらしたので、「サインお願いします」と言って写真を差し出す。
「え、これどうしたの?」
「当てたんです」
「あ、そうか。あそこね。それはそれは。おめでとうございます。ってオレが言うのも変か。御愁傷様です。」
照れてらっしゃったのが印象的。
いろいろ購入後、日暮里から山手線に乗り、池袋演芸場へ。
昼の部はもう始まっていて「立ち見」の表示。
中に入ると楽屋前の椅子に伯楽さんと志げるさん。
伯楽さんはお客さんに落語界を熱く語っていらした。
いつもだったら心踊る場面だけど、今日はそう簡単に驚けない。
右太楼さんの高座が終わったところで客席へ。
喜多八 「阿弥陀さま、吉原へ行く」という噺
伯楽 「たがや」
志げる アコーディオン漫談 西條八十歌集
文朝 「近日忌中」
仲入り
はん治 新作?「居酒屋」
三三 「二十四孝」
正楽 紙切り
小三治 「小言念仏」
はん治さん演じる酔客が
「昔の歌はよかった。『包丁一本』、どうすんのかな?『さらしにまいて』、どこ行くのかな?『旅に出るのも』何でそんなことするのかな?『板場の修行』って、次々と聴く側の気持ちになって疑問に答えてくれたんだよ。今の歌はわからないことだらけじゃねぇか。」
というのがおかしかった。
昨夜からカレー作って、さっきまで汗だくになってカレーをよそってらしたんだろうなぁ。
大変だ。あのカレーはなかなかのお味でありましたよ。
小三治師匠のまくらが圓朝まつり報告で、同じ空間にいたんだな、と思えるのが楽しい。
ライスカレー屋の前で客寄せパンダになっちゃったところはお見かけしなかったけれど、原価が幾らかわからない700円のカレー食べました!って言いたい気持ち。
ただの小三治ファン。声当てわからなかったけど。しゅん。
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