05/07/14 京都呉服商旧宅ちおん舎 「江戸名物 柳家紫文」
京都 あおい
この前夜は雷雨で停電までした京都ですが、当日は快晴!
祇園祭の賑わう鉾町(鉾や山が巡行する界隈)の呉服商旧宅で行われたライヴは東京の寄席でみる紫文さんとは全然ちがった雰囲気でした。
大手銀行ビル街の烏丸三条通を会場めざして少し西に入ると、ぐっと静かになります。
町内毎に飾られている鉾や山の由来を読んでいると早めに出かけたつもりの時間もあっという間。
なんだかウキウキするのはお祭独特のものですね。
夕暮れ時の祇園囃子に気だるい心地よさを感じながら会場の「ちおん舎」へ。
周辺のお店も年季の入ったいい感じで、格子の門をくぐり、
打ち水された飛び石を踏んでひんやり静かなお家の中へ。
会場はお茶の道具、琴、三味線などフツーに置かれていて、何やら由緒正しきお家。
茶室もあったし、京都特有の、庭を囲むような建築で部屋中を通り抜ける風が風鈴を鳴らし外の喧騒も聞こえず別世界。
開場時間ずい分前なのにすでに何人か、浴衣や夏物の和服姿の男女(ここは南座か?と錯覚しそう)のお客さんらが。
スタッフも浴衣姿、ライヴをめいっぱい楽しもう!という感じで盛り上げています。
お弁当とワンドリンクをもらって経机のような大き目のお膳の前に座ります。
上演中を避け、前か後に食べるとのこと。
いよいよ開演。
ぱっと暗くなったかと思うとなんと!!高座の奥にあった蔵から紫文さん登場。
さのさ、都都逸、小唄をセンスある軽口はさみつお客さんを乗せてゆきます。
待ってました!の長谷川平蔵。
京都バージョンということで「かしわ売り」登場。
満席(60名程)のお客さんからはウケ方が「ドッ!!」という波動できます。
たっぷり90分以上の高座の最後をしめるのは「両国風景」、
びしっと決まってお辞儀する紫文さんに拍手は鳴り止みませんでした。
江戸の祭に関する師匠のうんちく話と三味線、
そこに実際今!会場の外では華やかな祇園囃子という何ともいえないシンクロ・・・夢見心地です。
願わくばトークの中身を整理して三味線をもっと多く聴けたらなと思いました。
終演後師匠を囲んで食べたお弁当は綺麗で美味しかったし、
京都らしさを詰め込んだセッティングと江戸芸で楽しい時間を過ごせました。
外へ出ると提灯に灯かりが入った「鉾」と「山」の幽玄な姿。
大きくて力強くもあり、たおやかにしなる様は雅でもあり、
伝統の時間と空間を行きつ戻りつ・・・ライヴの余韻を想いそぞろ歩き。
今後もこのような会があればいいなと思います。
top |