8/12 歌舞伎座「通し狂言 東海道四谷怪談」
三谷潤一
暗い客席のあちらこちらから「うわっ」とか「きゃっ」とか悲鳴が上がるんですよ。
悲鳴の波がだんだん前に来て、客席通路を駆けて舞台に亀蔵登場。
亀蔵さんって脇役でお客さんを沸かせるのが上手い。
歌舞伎役者なんだけど、お笑い芸人さんの運動神経も持ってるように見えるんです。
客席の反応に敏感で、それをまた楽しんでるような風情がある。
お客さんが笑うのも快感だろうけど、驚くのも快感なんだろうなぁ。
橋之助、三津五郎の二人の悪役の格好良いこと。
悪役が決まらなかったら話が進まないですからね。
勘九郎のお岩は、信じていた人に裏切られた哀しみをきちんと演じていたのが印象的。
提灯抜けも見事でした。
よくあんな狭いところから抜け出るなぁ、と思い、そういえば場面によって勘九郎さんが痩せたり太ったりしてたんですよ。
あれも芸の力なんだろうなぁ。不思議でした。
top |