04/9/12 新大久保 R'sアート・コート
松元ヒロ ソロライブ Vol.8
高野ガラス店主人45歳
JR山手線新大久保駅は、どこか世界が違います。
赤い看板とハングルが溢れ、「ペ・ヨンジュンのポスター入荷」
なんていう貼り紙も沢山見かけるコリアンタウンです。
ライブ会場に至る細い道に入った途端、
ホームレスのおじさんが大の字になって寝ていました。
何だかもうヒロさんの術中にはまった感じがします。
下手に着替えコーナーだけが設えられたシンプルなステージに、
はにかみながら、どこかきょときょとしながら、
やや腰を落としたスリムなヒロさんが出てきます。
もう、おかしい。出てきただけでおかしい。
な〜んか申し訳なさそうな、
一言言いたいけど言いにくい、
でも言いたい・・・
そんな表情と身体の動きを見ていると、
それだけで笑っちゃうんです。
長めの前フリをあやまったり、
メガネを間違えたり、
水を飲んでゲップをしてあやまったりしながら、
「若い会社に再就職する中高年向けの会話教室の先生」になったり、
「たかが元球団オーナー」になったり、
「冬ソナもどきのコ・イズミ」になったり、
「いわゆるひとつのミスター」になったりします。
あぁ「適応障害について研究発表をする先生」になって、
(例の)とほうもない事例を引き合いに出したりもしました。
そのいずれもに、
あのきょときょとの、腰の低いスタイルが、
そこはかとなく漂っているんです。
上から見下ろす笑いは、なかなか心底共感出来ません。
どこか偉そうな笑いに見えるからです。
でも下から見上げる笑いには、ついつられます。
それは「笑っている情けない自分」をも表現されているからだと思います。
相手を揶揄したり風刺したりしても、
「そんなことを言っている間抜けな私」がいるから、
見ている私達にも「とりつくシマ」があるんです。
ヒロさんは、相当凄いことを言っています。
「そんなことまで笑っていいのか?!」ということまで笑いのめします。
しかも、どこまでも頑なな「正論」ときてる。
でもそれを笑える対象に昇華させているのは、
あの腰の低さやきょときょとだと思いました。
言って良いかどうか悩んでいるけど、言っちゃった!
そのヒロスタイルが、全てを許してしまうんです。
それを私達は、言わなきゃいいのにねぇ・・・と爆笑する仕組みです。
結論:松元ヒロは、腰の低い頑固者である。
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