8/22 Bank ART 1929 YOKOHAMA 「本間しげるソロライブ」
shou_chong
昼の部をハマっ子の友人と拝見。
会場は1929年に建てられた元銀行。
最近のちょっと見おしゃれなビルとは風格が違う。
趣のある外観、シンプルな内装。
本間さんのライブにふさわしい空間だと思う。
開演までの30分、絵はがき(切手を貼る位置には、本間さん考案の北京オリンピックマスコットキャラクター、中指を立てたパンダのボイコットちゃんが座っている)を買ったり、ライブ案内のはがきをもらったり、友人とおしゃべりしたり。
会場の雰囲気から「私、東京駅も大好き」「いいデザインだよね」なんて会話が弾み、ライブ前の適度なウォームアップがまた楽しい。
そして開演。
本間さんの舞台は美しい。
老若男女、どんな人物を演じても美しい。
それぞれのネタは毒があったり、不謹慎だったり、危なかったり、ブラックだったり、はたまたバカバカしかったり。
ホロリとするところもあるけれど、全面的にきれいごとということはない。
それでもやっぱり美しい。
ヤナ人物を演じても、不快感、嫌悪感は感じさせない。
これは並大抵の才能ではない。
結局、立ち居振る舞いが美しいということもあるけれど、もっと根本的なこと、本間さんの心が美しいから舞台も美しいのではないかと思う。
単に技術的にすぐれているというだけでは、こうはいくまい。
●「半端な言葉のフレーズバー」(タイトルの記憶曖昧)
おススメメニューの一つ「有名な姉妹」はこの国で生まれ育った人たちかと思いきや、あの国で生まれ育った人たち。
みなさん落ちで爆笑。
私がすぐにピンときたのは勘がいいからではなく、同じ素材を別の料理法で出してくれた春風亭昇輔さんや寒空はだかさんのおかげ。
フグのようにアブナイけど魅力的なネタですね。
●「劇的オバさん」
縁あって、訳あって、幼い女の子を引き取って育てたオバさん。
りっぱな?娘に成長したその子の結婚式当日、お祝いのスピーチをする。
普通なら、「ここに至るまでには人様には言えないような苦労もありました」と、黙ってすますようなことを包み隠さず全て披露。
食糧難だった戦時中何を食べたかまで。
「まあ、それもねえ、今となっては笑い話ですけどね」だそうで。
ほんとに「劇的オバさん」です。
そして締めくくりは「川の流れのように」を熱唱、ではなく、それにあてたフラダンスを熱演。
ライブのお客さんは披露宴に招待されたお客さん気分を味わいながら拍手でオバさんを送り出すという構成。
粋だなあ。
●「女道」
いわゆるコマダムというのでしょうか、実際に身近にいたら絶対にお友達になりたくないタイプの女性。
自分の幼い息子に向かって「ママっていけてる? リ○コ(←漢字表記は避けました)みたい?」なんて訊いている。
この台詞でこの女性が具体的にどこを目指しているかが、はっきりわかる。
本間さんがリ○コさんをどう思っているかもわかって面白かった。
●「赤帽」(腹話術の人形)
「血液サラサラ」とか「ドロドロ」とか健康管理の話かと思っていたら、「あの一族は血液ドロドロだよ。血が濃いから」なんて、血縁関係の話だった。
サーっと血の気のひくようなコワーイお話でした。(爆笑したけど)
と、控えめにネタバレしてみましたが、こんなのは序の口。
ほのぼのと微笑ましいネタから、TVでは決して放送できないような麻薬的に魅力的な痺れるようなネタまで、幅広い世界がご覧になれますので、みなさま機会がありましたら、ぜひ本間さんの舞台に足をお運びくださいませ。
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