8/21 新宿西口明治安田生命ホール
『志の輔らくご 21世紀は21日』ロビーゲストになって
高野ひろし
いつもはペンギンのオブジェ・銀の輔を持って東京の町を徘徊し、写真を撮り歩いて
いますが、この日は、会場にいらしたお客様に銀の輔を持って頂きパチリ。
しかもお帰りの時には写真が出来上がっていてプレゼントするという、超スピード撮影大会です。
何が凄いって、志の輔師匠の落語会の「ゲスト」ですからねぇ。
普段なら石橋を叩いても渡らない私なのに、「ええぃ、いくぞ!」と思うとつい一線を越えてしまうのは、
AB型の成せる技でしょうかね。
ともかくも「路上ペンギン写真家」として出来ることをするまでじゃ、
っとプリントしたのが、芸人さんや各界の人々と銀の輔とのツーショット写真50枚。
今は亡き志ん朝師匠からアントニオ猪木さんまで多士済々。
勿論その中には、志の輔師匠との写真もあります。
それをロビーにしつらえた葦簀に貼り付け、1日限定ミニ写真展にしました。
銀の輔のお腹には『志の輔らくご』の即席千社札を貼り付け、8月は昼夜2回あるんでフィルムを10本用意し、いざ出陣!
開場した途端、どど〜っとお客さんが流れ込んできます。
ここで小心者振りを発揮しても何もなりませんので、銀の輔を抱え
「記念にお写真を撮りませんか?」
と怪しい誘い声をあげます。
ロビーに飾った写真を眺めた人が「それじゃぁ」なんて応じてくれます。
いきなり70センチばかりの樹脂製ペンギンを持たされるんですから、そりゃビックリしますが、
そこで一言「志の輔師匠もだっこしたペンギンです」。
これは殺し文句みたいなものですねぇ。
おひとりが応じて下さると、それを見て別のお客様がやって来ます。
中には「前にも撮って貰いましたよ」と言う方もいました。
最初声を掛けたら「結構です」と逃げるように去ってしまったお客様が、
「撮って下さい」と来てくれたりすると、それは嬉しいもんですよ。
開演前には撮影終了、そのままビックカメラまで走ります。
ここで1時間で現像して貰い、終演時にはテーブルに並べなくちゃいけないんです。
ですから私は、都合4回ビックカメラとホールを往復しました。
結局1日で250枚の写真を撮りました。
一カ所でこんなにシャッターを押したのは初めてです。
最初は怪訝そうな顔をしていたお客様も、出来上がった写真をニコニコとお持ち帰り下さり、「ありがとう」なんて言われちゃうと、そりゃ嬉しいもんですねぇ。
各回取り忘れる方もなく、一枚も残らなかったのも嬉しかったです。
スタッフの方々も親切で優しくて、私が何か作業を始めると、すぐ飛んで来て手伝ってくれます。
撮影の呼び込みまでしてくれました。
夜の部の2席目が終わった後、高座で志の輔師匠が私の紹介をしてくれたのには感激しました。
そのお陰で終演後のロビーでは、銀の輔がお客様に囲まれ、どっさりフラッシュを浴びました。
ケイタイで撮った方も沢山いました。
あんなに晴れがましい銀の輔を、私は初めて見ました。
共演の松元ヒロさん!
何て優しい人なんでしょう。
破顔一笑とはこの方のためにあると思います。
私が緊張していることを察してか、何くれとなく話しかけてくれます。
しかも一緒の楽屋だったんです。
「松元ヒロ様、高野ひろし様」と書かれた紙が貼られた入り口で、記念撮影をしましたから。
こうして何とかトラブルなく撮影大会は終了しました。
で、後になって思うんですね。
「写真が撮れてなかったら、現像が間に合わなかったら、どうしただろう?」って。
楽しかったけど、後で考えると冷や汗一斗。
でも楽しい方が勝ってしまった!
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