2004/11/11 有楽町よみうりホール
「東西落語研鑽会」
にしき
この会は、去年の9月行って、これでまだ二度目だけれど、
なんだかとっても心地よい空間だなあと感じます。
「落語を聴く空気」と言うのでしょうか、
会によっては、会場全体は盛り上がっているのに、常連さん以外はさびしい思いをさせられることがあります。
でも、常連さんも楽しみながら、決して一見さんが取り残されない雰囲気。
初めて行くという人に、絶対お勧めしたいです。
はん治さん、鯛の気持ちになれる新作の「鯛」、
雀三郎さん、ちょっと昔の大阪にいざなってくれる「天王寺詣り」、
円楽師匠、落語を聴き始めた頃の、「落語って面白い」という気持ちを思い出させてくれた「浜野矩随」
で、仲入りのあと、
ものすごい拍手に迎えられながら鶴瓶さん登場。
高座に座りお辞儀をして、顔を上げてもまだ拍手は鳴り止まず、
いったん静かになりかけるとまた盛り返す。
さすがに鶴瓶さん「一体なんのプレッシャーや!!」
場内大爆笑。
「言うたらね、前の三席で、今日の会はもう終わってるんです。
今、この後ろに、東京の落語家さん、ぎょうさん来てはるんです・・・心配して。
さっきまで円楽師匠と話してたんですけど、『話してて大丈夫なの?』って言われて・・・。」
心配なのか、期待なのか、とにかく会場全体が、
鶴瓶さんが「らくだ」を演ることを、本当に喜んでいるようでした。
この1年くらいの間で聴いた鶴瓶さんの落語は「宮戸川」と「子は鎹」。
こちらは出てくる人物が、若い男女だったり、おかみさんや子供で、「演じている」のだなあと思ったけれど、今度は、中心になるのは男二人。
気の弱い紙屑屋、怖いらくだの兄貴分、酔って立場が逆転する二人。
「笑っていいとも」の鶴瓶さんも、ドラマで見た怖くて悪い議員さんか何かの役も思い出され、二人の様子がいろいろ変わるのに、全部地でやっているような気がしました。
話題にもなっていたし、始まるまでは「どんなふうに演るのだろう」などと思ったりもしたけれど、気がつくと、噺を丸ごと楽しんでいました。
1時間15分の長講一席。
鶴瓶さんの言葉をあえて借りれば、仲入りまでと、仲入り後、
二つの落語会を楽しめた夜でした。
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