2004/12月号「月刊浪曲」より、
浪曲ののすすめ文章を転載浪曲リレー放談(9)
「わたしの木馬亭」 
お江戸上野広小路亭「第38回 立川談笑月例独演会」
なかの芸能小劇場「第三回落語教育委員会」
鈴本演芸場「柳家小三治独演会」
ブラジルサンパウロ某映写室
「 笑福亭福笑ビデオ独演会 in Sao Paulo 」
下北沢「劇」小劇場「定本柳家喬太郎伝説」
なかの芸能小劇場 第三回「落語教育委員会」
下北沢OFF・OFFシアター 
「ペコちゃんひとりコントシリーズ 婦人我報」
有楽町よみうりホール「東西落語研鑽会」
下北沢 「劇」小劇場「定本 喬太郎伝説」8日間連続公演
東京芸術劇場 小ホール2 
「立川談春大独演会 〜20年目の収穫祭〜追加公演《後夜祭》」
上野広小路亭「前田隣ライブ」
有楽町よみうりホール「東西落語研鑽会」
林家彦いち本『楽写』
高田馬場・カフェランティエ
講談師神田京子の会「京子カフェ vol.15」
国立劇場演芸場「談志ひとり会〜秋三夜〜」
下北沢「劇」小劇場春風亭昇太ソロライブ
「感傷旅行〜センチメンタルジャーニー〜」
下北沢OFF・OFFシアター 
「ペコちゃんひとりコントシリーズ 婦人我報」
お江戸上野広小路亭「第36回 立川談笑 月例独演会」
なかの芸能小劇場 「鯉昇の大冒険」
紀伊國屋サザンシアター
真打挑戦公開LIVE・立川笑志のかなりEスペシャル〜いよいよ〜
2004/10/24 恵比寿ザ・ガーデンルーム
第12回YEBISU亭「恵比寿ガーデンプレイス10周年記念版」
サザンシアター「笑志のかなりEスペシャル いよいよ」
 真打挑戦公開LIVE
青山円形劇場 「Jamゴールドブレンド」
 山の手事情社20周年記念公演 
SWA in 石和 祝 笛吹市誕生 まちも落語も新作ブーム!!

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2004/0/17 紀伊國屋サザンシアター
「真打挑戦公開LIVE・立川笑志のかなりEスペシャル〜いよいよ〜」

三谷潤一

日曜の昼下がり、開演45分前くらいに到着。
案外すんなり当日券を入手。ラッキー。
二つ目の立川笑志が自分の独演会で真打昇進判定を受ける様子をそのまま見せる、という企画。立川流でなければあり得ないライブ。
ビデオ 「志の輔、笑志のぶらり旅」
 笑志  「悋気の独楽」
 談志  「子ほめ」
   中入り
 ビデオ 「市川左団次、笑志の踊りを語る」
 笑志   踊り
 笑志  「愛宕山」
 談志・笑志  判定
ビデオに登場する温泉宿のおかみさんがおかしかったなぁ。
それに引き換え、緊張感漂う高座。
観ているこっちまで一緒に緊張してしまうような雰囲気。
笑志という噺家さんは何人か出る落語会では確実に笑わせてくれる印象があるのだが、今日は様子が違って見えました。
状況を考えれば、無理もないですが。
そんな中で、談志師匠は「子ほめ」ですよ。
寄席に行ったら聴かないことはないという前座噺。
「なーんだ、子ほめかぁ」というような聞き飽きてる噺ですよ。
それが、あんな展開、こんなふうで、え、そうなっちゃうんだ。
「ネコ踏んじゃった」が全く別の名曲に聞こえる名ピアニストの演奏を聴いたようなものです。
名人は道具だけじゃなくて曲も選ばないのねぇ(ため息)、みたいなもんです。
一方で、笑志さんの方はきちんと演じようとしている感じが強くていつもほどは噺を変えたりアドリブを入れたりということを控えていたように見えました。
「愛宕山」は踊りや小唄や都々逸をやって、それがそのままお茶屋風景になっている、という構成。
この歌舞音曲が真打の条件のひとつなんでしょう。
前座のキウイさんが、そのときだけ客席通路でずっと見てました。稽古仲間なのかな?
さて、判定ですが、踊りと歌が及第点に達していないという結論で真打は見送り。残念だけど仕方ない。
いや、生々しい、というか笑志さんのぐらぐら揺れまくっている様子が伝わってくるんです。
合格か不合格か?ってとこから、不合格かぁ、みっともないことんなっちゃったなぁ、まで。
いろんなことが思い出されたり考えちゃったり、きっとしているんだろうなぁ、というのがわかる。
晒されるつらさ。
なんかね、自分の欲しいものがなかなか手に入らないとか、やりたいことがあるのにできないとか、そういうときの心境が思い出されて、他人事ではなかったです。
でも、真打挑戦と銘打たれたら、不合格を宣告する側にも勇気が要る。
そこを敢えて、というのは「まだ伸びるぞ」ってことでしょ、きっと。
次の挑戦を見る楽しみがこちらはできました。
それにしても、客というのはいい気なもんだ、われながら。

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