1/14 有楽町よみうりホール 第6回東西落語研鑽会
三谷潤一
回を重ねてくる中で妙な緊張感が薄れてきて、だんだん角が取れてきたような印象を持ちました。
多分、様々な客がいて、各々がジャマをしないで楽しんでいるからなんでしょう。
無理に笑わせようと頑張らなくても笑う人はいるし、でもすべての客が笑う場面は滅多にない。
どの芸人さんに対しても温かい反応が多いけど、おかしくなければ笑えない。
当たり前といえば当たり前のことですが、こういう客席はそんなにないような気がします。
それで、そういう客席が定着してきて、そういう客席なんだなぁというのも演じる側にも浸透してきてるのかな、と思いました。
元気な雀々「田楽喰い」に対して虚弱体質の喜多八「やかんなめ」という構成だけで楽しい。
喜多八のあの気だるい感じ、いいなぁ。
もっとも噺になると決して気だるくなんか演らないんですよね。
小朝「紺屋高尾」は随分噺を変えてましたね。
女性客を意識して、高尾が惚れる九蔵に魅力を持たせて話に説得力を持たそうという試みなのでしょう。
立派でない男のひとりとしては、立派な九蔵より純情なだけの九蔵の方が感情移入しやすくて好きです。
こぶ平「ねずみ」。
家で「落語手帖」を見たら、先々代の三木助が浪曲から落語に仕立てたんだそうで、先代三木助と親しかったこぶ平の気合いの入りようも強かったことだろうと想像します。
「わが愛しの芸人たち」を読んで先代三木助への誤解に気付いたあとだけに、いろいろなものを背負って高座に上がってるんだろうなぁ、と勝手に。
文珍「胴乱の幸助」初めて聴きました、文珍も「幸助」も。
「お半長右衛門帯屋の段」ノ知りませんでした。
でも十分面白かった。
誰が演じてもこうはいかない、という力を見せつけてもくれました
top |