12/29 明治安田生命ホール「笑い芸人超特選落語会」
毎日新聞モニター 府川弓子
郵便受けにチケットが!
この1年間、いや〜なニュースばかりでしたが、ナント私は幸運なのでしょう。
これは幸先がよい!!
1年の締めくくりに落語で笑えるなんて、と小躍りしたものです。
子供達を早々に田舎に送り出しワクワクと安田生命ホールに向かったのでした。
彦いちさんのスポーツチャンバラの話には思わず建国義勇軍の○○なんとかさんを連想させられ、国士舘、右寄り、体育会系、というプロフィールを、サーカスの綱渡りよろしくバランスとりつつ笑いのめしちゃうあたりがさすが噺家と首肯したのでした。
また、白鳥さんの川柳さんをネタにあれだけ喋れるのかと感心。
普通、人の悪口って面白いけれど、でも、あまりいい気分しないですよね。
何か自分がやましい、後ろめたいという感じで思いっきりスカッとしない。
けれど、白鳥さんの喋りはカラッを突き抜けていて笑えました。
本人を前に堂々の喋り。
やっぱり悪口は陰で言ってはいけませんね。
本人を前に堂々と言わなきゃ話の内容が深化しません。
悪口の真髄に触れました。
川柳さんはもう登場から怪物のようで、とっても歌が上手でいっぱい遊んで来たのかなと思わせたり、
売れなくて苦労したんだなと思わせる間もなく自分の世界にどんどん客を引きずり込んで陶酔させてしまいましたね。
サービスしようという感じではなく自分が楽しんでいるという感じで、最後の最後まで幕が下りている最中まで笑わせてもらいました。
桃太郎さんは、なんと言ってもあの間合いが最高でした。普通の人の間とは微妙にズレているのが不快を誘うのではなく笑いを誘って、常識というのが何なのかという本質的な問いを投げかけられたように思われました。
御本人はそんなこと思ってもいあにかもしれませんが。
ところで、あの湯飲み茶碗には本当にお茶が入っていたのでしょうか。
トリの昇太さんのオヤジ天国は、女性ですが妙に納得してしまう噺でした。
男女同権とか子供の権利はオヤジを片隅に追いやることではないはず。
人と人が平等の関係をもつってどういうことなんだろう。
家族の中で自立とは何なのだろうかとか、主婦にとっての自立とは何なのだろうかとか、考えさせられました。
日本がどこに向かっていこうとしているのか、世界はどうなっていくのかと、昨今の情勢を見るにつけ、落語に素直に笑わせてもらいながらも、別の自分が噺の内容をねじって見ようとしているっていう感じの深みのあるひとときでした。
12/29 明治安田生命ホール「笑い芸人超特選落語会」
毎日新聞モニター 武藤比呂子
チケット片手にひとり夜の新宿に繰り出した40代主婦です。
10年前の「笑点」くらいしか知らず、5人の面々の誰ひとり顔も名前も知りませんでした。
川柳・・・名前から川柳をネタにしたチンタラやるじいさんかと思いきや、「高座のミュージックボックス」。もっと軍歌を歌いたかっただろうに。
客はけっこう若かったので、受けないこともちゃんとわかり、このじいさん、ボケてない、さすが!!
桃太郎・・・石原裕ちゃんの話で進んでいく。西部警察、45秒出演、ボスが5本の電話をとってギャラ500万とは、これ本当?
私はこの人の間が好き!
昇太・・・なるほどトリ!!しかし、世のオヤジは裸で家の中歩きたいの?
娘の下着と自分のをこすりあわせたいの?
独身のくせに、よう考えたわ。このオヤジの王国。女の王国で落とすところで算数の答えがスーッと出たような気分に。
そして私も現実に戻って帰りの電車に乗ったのです。
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