1/7 青山銕仙会能楽研修所 志の輔らくご「満月の会」
三谷潤一
狂言は中学生のとき学校の体育館で観て以来だから25年以上ぶり。
能楽堂は転形劇場だったか太田省吾の「卒塔婆小町」を観て以来だからおよそ20年ぶり。
それぞれ一度きりのことだから、初めてのようなもの。
初めてというのはわくわくするからいいですね。
寄席に出ない志の輔さんは「場所探しに明け暮れる」といったことを書かれていますが、ファンはそのおかげで、行ったことのない空間に足を運べる楽しみができるんですね。
関係者というかご贔屓というか馴染みの方というご様子のお客さんが結構いらしていて、新しい会場を楽しんでるように見受けられました。
ひさしぶりに座布団一枚の客席。
学生時代よく行った小劇場はどこもこんな感じで息をこらして体育座りでしたよ。
でもトシですね。
あの頃より身体は重くなり堅くなり堪えがきかなくなってて、ごそごそごそごそしてました。
口上
狂言 「千鳥」
笛 雲龍
対談
落語「井戸の茶碗」
狂言の発声、笛の調べの心地良さ。
声を出した瞬間、笛を吹き始めた一瞬に「おぉっ」と驚き、昔の時間に誘われたような気持ちになりました。
空間のせいもあるんでしょう。
志の輔師匠がいつもより格好良く見えたのも空間のせいか満月のせいかと思っていたら、実は風邪引き男だったという告白が最後にあって、妙に納得。
「井戸の茶碗」も志の輔らくごらしく清々しい気持ちにさせて貰って、いい会でありました。
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