1月 ブラジル・サンパウロで聞いた「釣道入門」の衝撃
南米会社員落語初心者
最近、サンパウロの日本人街でNHKの「日本の話芸」を連続録画したビデオを入手し、その中で際立って面白い笑福亭福笑師の「釣道入門」の高座に初めて接しました。
「釣道入門」は、釣り名人と初心者のやり取りを活写した同師の新作落語ですが、まるで何代にもわたって練り上げられて来た古典落語のように中身の濃い爆笑の連続です。
観客に違和感を感じさせるような流行語のくすぐりは一切使わず、しかも明るい高座は躍動感あふれ非常に知的だと思います。創作力・演出力ともに大変な力量のある方だと驚嘆致しました。
同師のお名前を承知していなかったので、あわててインターネットで調べたところ、六代目松鶴師の一門で、昭和24年生まれでいらっしゃるようです。
南米の遠隔地におりますが、CD等により他の演題も何とか聞きたいと思い、AMAZON.COM等で検索したが見つからず、同師のお弟子さんが開設されているHomePageに照会したところ、そういうものは一切出されていないとのこと。
同師高座を体験できるのは生口演のみで、東京での独演会は今のところ年1回とのお答えでした。
落語初心者の当方には、同師の「釣り道入門」は、志ん生・文楽・金馬・柳橋・可楽等の落語が最強であった時代の録音を念頭においても、それらを彷彿させるくらいの面白さと迫力があるように感じます。
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