06/11/4 下北沢ザ・スズナリ「チェックポイント黒点島」
岡町高弥
11月4日、下北沢ザ・スズナリで燐光群「チェックポイント黒点島」(作演出・坂手洋二)を見る。
あの竹下景子(に三千点)が燐光群の主演を張った。
「なぜ、竹下景子!」と驚いたが、見事に小劇場の演技が出来ていたからさすがだ。
「チェックポイント」とは検問所。
東西ドイツを分けるために作られていた「チェックポイント・チャーリー」が突然、日常生活に現れたらどうなるかという着想が面白い。
国家とは、境界とは何かという難題に果敢に挑戦している。
竹下景子は普通の主婦、漫画の主人公、更にその漫画を描く作家役と坂手の複雑な物語に懐の深い演技で応えた。
脇を固めた渡辺美佐子も老婆、主人公のお母さんなど骨太な芝居で物語に拮抗する。
舞台は東京、対馬、漫画の世界と刻々と変わっていく。
時にはロックアウトされた超戒厳体制にある現在の東京のある大学の風景を描き、燐光群ならではアクチュアルな芝居を見せてくれる。
やや散漫という声もあろうが、あえて芝居をわかりやすく収束させないという坂手洋二の強い意思を感じさせてくれる芝居であった。
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