06/10/14.土 大阪: 千日前 TORII HALL
「第2回 艶芸サロン〜東西粋競演(とうざいいきくらべ)〜」
ひらりん
なんば駅の大通りから一本入った雑多な飲食街、近くの法善寺の小さなお参りコーナーが明るく風情がある横町へ。細いビルの7Fに秘密結社のようなこじんまりしたいい感じのホール、収容人数120名ギリギリ。
年齢層高めお客さん。
紫文インタビューが、直前の朝日新聞で紹介されたそうで、その効果も。
http://www.asahi.com/kansai/entertainment/OSK200610030044.html
桂吉坊「胴切り」
夢のような、悪夢のような企画です、この後の対談、打ち合わせなしで、内容は司会の吉坊に任せた、と言われて、落語やってる場合やないんだそうで。
ふと上の吹き抜けに目が行くと、紫文さんが上から客席を偵察中。ふふふ。
噺の方は、切られても呑気な男に、すぐ順応した友達は足と頭に適職を斡旋。
何ていい世界。
桂米左・柳家紫文 邦楽セッション&トーク 司会・桂吉坊
黒紋付の二人が、ヴィトンと黒の小さなケースを下げて登場し。小さなケースを開けると、三味線と鼓が入っているのに感嘆の声。
淡々と組み立て開始、吉坊質問せえや、と米左師が突っ込み。
組み立て方や楽器の背景など質問しつつ進む。
鼓は馬の皮、その昔、最高級品は、馬の胎児の皮だったとか。
三味線は、猫の皮だが糸巻きは象牙、ワシントン条約違反だらけの楽器達、でも、弾く人は人間国宝、と解説も笑わせて。
偶然、この日の三味線の方が、紫文さんと同門で、新内流しも袖と舞台で共演。
そして、長唄競演「越後獅子」。
何もかも違うようで、どこか共通点を感じるこのお二人。
繊細で粋な雰囲気も、後ろにも目のついてそうな鋭さも。
それぞれの薀蓄も絡みも面白く、お互いを探りながら進めていく緊張感も堪りません。
鼓を湿らせるところで、能の太鼓のことなどを、米左師に思わず質問する方あり、打てば響くような答えが返り、さらに笑わせて。
もう、ここまでで、苦労して来てよかった、大当たり、と確信。
とはいえ、仲入り後も、たっぷりお楽しみ。
紫文「粋曲」 鬼平半可通 両国風景
米左「たちきれ線香」
鬼平で、最初は無表情だったお隣の男性が、うはっ、ぐぐっ、最後には、うわははは、と、誰よりも大きい声で大笑い。
初心者の崩れ方をたっぷり堪能。
トリのたちきれ線香で、しっとり、この会にふさわしく、音曲にも凝って。
プログラムの挨拶によると、この凄い会、一人のOLさんの企画。脱帽。
翌10/15には、県(あがた)神社という宇治の古い神社の書院内で、紫文・三味線ライヴも企画されたそうで、緊張で眠れぬ日もあったとか。
この会、大学の講義や、自治体の教養イベントで呼んだら面白そう。
教養関係の予算はあるけど、演芸だけだとダメとお嘆きの、ビッグな団体にお勤めの演芸ファンに是非お勧めです。
デザインと表紙の写真が素敵なTORII
HALLニュースをお土産に。
今月の表紙はすわ親治さん。
月末にピン芸の日があり、モロ師岡さんも出演とありました。
TORII HALL http://www.toriihall.com/
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