05/10/31 紀伊國屋ホール「BY木村万里シャッフル笑いの人間交差点」
岡町高弥
「木村万里さんは僕にとって百科事典のような存在です。あらゆる芸人さんを万里さんから知りました。本当に助かります」と開演15分前に肝いり出演の永六輔が現われ面白おかしく熱弁をふるった。
そのとおりなのだ、私たちは、「木村万里」なくして新しい才能と出会えなかった。
木村万里が厳選した芸人ミュージシャンが一堂に会した「BY木村万里シャッフル笑いの人間交差点」は、さながら宝石箱のような贅沢なライブとなった。息つく暇もない怒涛の2時間30分とはこういうライブをいうのか。とにかく密度が濃かった。
まず、柳家紫文の三味線漫談の軽やかさとばかばかしさに驚き、続いて登場した寒空はだかの相変わらずの立ち姿と「東京タワーの歌」に場内が和む。あべあきらの美声に聞きほれ、太田スセリの「負け犬女性たち」を笑い飛ばす破壊力満点のギター漫談(本人曰く弾き語り)に打ちのめされる。
すわ親治の甘い声と高笑いの落差にドリフ世代は涙し、女性3人組のねこマジの圧倒的な歌唱力に脱帽する。
「ジャズで寿限無」とは恐れ入りました。
トリはテネシーから帰国したばかりの国本武春。十八番の「ザ・忠臣蔵」の熱唱で幕を閉じた。
七組の個性がぶつかり共鳴し緊張感の高いライブを生む。
こんな刺激的なライブは滅多にお目にかかれない。
いまだ興奮冷めやらず。
いい一夜でした。
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