麻布から下北沢へ 女・笑い
銀座博品館劇場 喜多八・歌武蔵・喬太郎
「落語教育委員会 番外編!」
池袋・新文芸坐「稲垣 浩監督生誕100年記念特別上映」
新文芸坐「稲垣浩監督生誕100年記念特別上映」
有楽町ニッポン放送イマジン・スタジオ 
入船亭扇辰「有楽町噺小屋 霜月の独り看板」
矢野陽子喜劇ショップVOL.?シアターX(カイ)提携公演
「ワルルル+(プラス)」報告
紀伊國屋ホール「笑いの交差点」
新宿紀伊國屋ホール 「林家たい平独演会」
紀伊國屋ホール「BY木村万里シャッフル笑いの人間交差点」
神楽坂・IWATO立川志らく劇団 
下町ダニーローズ第5回公演 向田邦子原作「あ・うん」
新宿紀伊國屋ホール「BY 木村万里シャッフル 笑いの交差点」
新宿紀伊國屋ホール「BY 木村万里シャッフル 笑いの交差点」
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内幸町ホール「すわ親治ひとりコメディ6〜自分がわからない〜」
新宿コマ劇場「笑われたかった男〜林家三平物語〜」
ポカスカジャンの脱線音楽  japan tour 2005
「はい、どうも!! 東京凱旋ライブ」
内幸町ホール「すわ親治ひとりコメディ6」
内幸町ホール「すわ親治ひとりコメディ6〜自分がわからない〜」
中野studio twl ヨージ単独ライブ
「ONCE UPON A TIME MACINE」
ロックスタジオ「本間しげるLIVE at ROCK STUDIO 2005秋」
05/10/10 シアター・グリーン 立川談春
「談春独演会 in シアター・グリーン」
国立劇場大劇場「立川談志一門会」
新宿末広亭「ロケット団定例集会其の六」
お江戸日本橋亭「鯉昇一門会」
新宿・シアターアプル 
コンドルズ 日本縦断大頂上ツアー「Top of the World」
吉祥寺Star Pine’s Cafe´ 
寒空はだかツアー「四十ひきまわし」in東京

バックナンバー





05/10/05 吉祥寺Star Pine’s Cafe´ 
寒空はだかツアー「四十ひきまわし」in東京

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オープニングソングはソロライブではおなじみの「寒空はだかのテーマソング」。
バックでは、のまネコが踊っていることになっている、そうです。去年のダンサーはたしか喜び組でしたよね。はだかさんのステージには、だれでも自由自在に呼ぶことができてよいですね。
今回はいつもにも増して音楽ネタが多かったような気がします。歌うスタンダップコミックですからね。
ロシア民謡「ガラスの十代」は何度聴いても笑えます。
「少年隊、ではなくて、光GENJIでしたね」と言われた後、聞こえるか聞こえないかくらいの小声でポロッと「え、平家?」と付け加えるところがニクイです。
はだかさんの声は(私は好きなタイプの声なのですが)、決してよくとおる声ではない。舞台で活躍される芸人さんにとっては損といえば損なのですが、ご本人はそれを自覚された上で、逆手にとって利用しているような節があります。大部分は声を張って話されるのですが、時にはわざとトーンを落としておもしろさを際立たせたりなさるのですね。ですから気を抜いて聞いていると、はだかさんではなく、お客さんが損をするのです。
はだかさんのステージは、頭のアンテナを目いっぱい伸ばし、耳をそばだて、感度良好にしておかないと、おいしいところをいっぱい取りこぼしてしまうので要注意です。
まったく油断がならない芸人さんです。
「アルプス1万尺」がどどいつにも入れ替え可能とは、はだかさん落語研究会在籍当時からの周知の事実だそうですが、私は初めて知りました。
どどいつの節で「アルプス1万尺」を歌い(という表現は正しいのか?)、「アルプス1万尺」のメロディで、落語「野ざらし」に出てくるどどいつを歌う。
前者は客席は静か、後者はおおうけ。私は落語好きなので(自分の名誉のために申しあげておきますが、決して落語通ではありません。)どちらも楽しめましたが、後者の方が落差が際立ってよりおかしかったようです。
「白い巨塔に血の雨が降る」は悲しい歌シリーズの中の一曲。
「医者で彫刻家でもあるおやじは左甚五郎と呼ばれ、ねずみや竹の水仙を彫ったりして…」なんて話は私は大好きなのですが、はだかさんソロライブにいらっしゃるお客さんは、必ずしも落語好きというわけではありませんので、さほど笑い声はおきないのですね。
落語会のゲストに呼ばれた時にでもなさればうけるのでしょうが、そういうベタなことはご本人の美意識が許さないのかもしれません。
「恋の病にかかったおやじ。この病を治す方法はありません。昔から言うでしょう、
お医者さまでも、草津の湯でも、タイムレコーダ、ガチャンと押せば♪」
で、一気に力が抜けて大笑いさせられます。
笑いにはいろんなタイプがありますが、ご本人はあるライブで「私は人の後ろに回って、膝をカックンとやっているのです」と説明していらっしゃいました。この部分はまさに膝をカックンとさせられた瞬間だなあ、と思います。
「二人の独立宣言」は甘いラブソング調の歌。
この歌の後「The Star Spangled Banner」のメロディが口三味線で(正確には口オーケストラで)奏でられ、次いで、(どこの国とは申しませんが)先代の陛下が「朕はここに独立を宣言する」とおごそかに宣言なさる。
サッチモが歌う「君が代」なんてネタもありますし、この日は披露されませんでしたが、沖縄民謡風「君が代」なんてネタもあります。
私はどれも大好きなのですが、この種のネタは人を選ぶのか、会場中で爆笑しているのは自分一人ということもよくあります。
はだかさんは一見そうは見えませんが、かなりアブナイネタをスマートに提供なさる方なので、のんびり聞いていると足元すくわれてしまうのですね。
ご本人はあるライブで「お客さんが笑ってくれないと、自分一人で責任をとらなければならなくなります」とおっしゃっていたので、みなさん、おもしろいと思ったらアブナイネタでも遠慮なく笑いましょう。(私も、わずかな人数で国家権力に立ち向かう勇気はありませんので。)
「今週の20位から11位」はソロライブ限定のコーナーです。
それも、やるかどうかはご本人の気分しだい。聞けたらとてもラッキーです。即興で10個ネタを作るという、まさに出たとこ勝負のコーナーです。悪戦苦闘するはだかさんから何が飛び出すのか、お客さんはただじっと見守るのです。出来、不出来をとやかく言う筋合いのものではありません。それでも去年のライブでは「バカの壁」というネタが生まれ、今回はりっぱな一曲として披露されたのですから、続ける価値は十分にあるコーナーです。
で、今回は何がヒットだったかと言うと……一晩寝たら忘れてしまいました。
ま、そういうこともありますが、ご本人は覚えていらして、今後の作品作りに生かされることもあるでしょう、たぶん。
ネタとは関係なく、はだかさんご自身が好きな歌を歌うコーナーもあります。
高田渡さんの「仕事探し」。
はだかさんの渡さんに対する愛情、尊敬の念が伝わってきて、感動的でした。
「人が歌っているのを聞いて、いい歌だねえ、と言ったら、君の歌だよ、と言われた」というエピソードまでセットになっているところが芸が細かくて、はだかさんらしいなあと思います。
次いで、なぎら健壱さんの「葛飾にバッタを見た」ライブバージョン。
ライブなので、歌はもちろん、客席の笑い声まで、ザワザワ、ドッカン、と再現なさいます。これがバカバカしくてすてきです。が、長い曲なので、さすがに途中で面倒になられたのか、途中から歌だけになってました。
なぎらさんは渡さんのお友達で、なぎらさんのお誕生日は、渡さんの命日でもありますから、そういう縁も意識されてお二人の曲を選ばれたのだと思います。むろんそんなことは一言もおっしゃいませんが。そこがまた、はだかさんらしくて粋だと思います。
歌い方はなぎらさんにあまり似ていなかったのがご本人は不本意だったのか、もう一曲もっと似せて歌える曲をご披露。たぶん二、三小節歌うだけのつもりだったのでしょうが、結局お終いまで歌っていらっしゃいました。
そうそう、なぎらさんの歌って、見た目に似合わず(失礼)妙に高音が美しいのですよね。
はだかさん、ライブバージョンまで覚えているくらいですから、なぎらさんの歌はそうとう聴きこんでいるようです。
*なぎらさんと言えば、二十代の半ば頃、高校時代の友人と曼荼羅に長谷川きよしさんのライブを聴きに行くつもりで出かけたら、開演前の時間帯、なぜかお店の人が不在で、わけもわからず店内に入ってしまい、しかもそこにいたのは、きよしさんではなく、リハーサル中のなぎらさんとバックミュージシャンの方々で、私たちは、間違いなく放送禁止になりそうな歌詞の「赤い靴」の替え歌を耳にし、「どうも、スケジュールが変わったみたいだね」と言いながら、そっと店を出た、というなんとも言えない思い出があります。
ゲストのTHE MANさんは、初めて拝見。
一人コント、一人芝居の人、でしょうか。
作品は2つ見せていただきましたが、どちらもおもしろかったです。言葉のセンスがよいですね。リズム感の悪い黒人とか、3歳の姪に舌打ちされる女とか、情けない人の形容を、たたみかけるようにいくつも並べるテクニックがなかなかです。
はだかさんとは全く違うタイプの方ですが、お客さんは満足していたと思います。
お終いは例によって「東京タワーの歌」。
琵琶湖タワーや、ポートタワー(内山田洋とクールファイブ風)など、いろんなタワーが登場し、かなりのロングバージョンになってました。
87番まであるというのは本当でしょうか? いつか全部聞いてみたいものです。
今回は、初めてはだかさんのステージを見る友人も含め、計4人で拝見しました。ライブ直後に感想が語り合えるのは嬉しいですね。いつもは孤独に見ていることが多いので、つくづくそう思いました。たぶん来春のソロライブも、ぜひ友人と一緒に拝見したいと思っています。

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