07/4/5.長野県北野文芸座「昇太・たい平二人会」
岡町高弥
4月に入ってから突然、真冬のような寒さに戻った4月5日。
北野文芸座で「昇太・たい平二人会」が行われた。
3月の「志の輔独演会」よりも客層が若い。
林家たい平が「川内康範先生に森進一が謝るために持っていった虎屋の羊羹の包み紙のような北野文芸座の漆(うるし)いいですよね」
というわかりずらい例えにも好反応。
満員の客席の合間をぬって「トイレに立つためドアを開けるようとするも四苦八苦する老人」も笑いにつなげ、
『お見立て』で存分に会場をわかせる。
後半は、春風亭昇太が登場し、「今日の客はどんな客だった?とたい平に聞いたら<トイレの近い客>と言ってました」に大爆笑。
「大河ドラマ『風林火山』の旗が長野駅にたっていましたが、山梨県と新潟県の戦いで長野は蹂躙されただけの迷惑な話ですよね」
はさすが、昇太らしい鋭いまくら。
「信玄の隠し湯が平成3年にも発見されているんですけど、どういうことですかと山梨出身の小遊三さんにきいたら<信玄はまだ生きている>と言ってました」も見事な県民分析。
「山梨県は武田信玄がいてくれてよかったですよね。」に皆うなずく。
「たい平は師匠に毒を盛って笑点レギュラーの座を獲得しましたが、ボクは地道な努力をしてましたから」
と笑点裏話もさらりと入れる。
26分間のまくらの後、『壷算』に入ったとたん、「去年、小さん師匠がやってましたね、ネタ変えます」と言って
『崇徳院』に切り替え、20分できっちり終わらせるあたりも絶妙だ。
決して地方用のありきたりなネタにせず、今日見た話しでまくらを組み立て臨機応変にネタも組み替え「昇太落語」に仕上げる
春風亭昇太にただただ脱帽。
終演後、「本当に今日は笑ったね」とお客さんの笑顔がいい。
長野で毎月、落語が聴きたくなった。
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