両国シアターX「山本光洋・かかしになるために」
国立劇場 劇団若獅子「国定忠治」
ダメじゃん小出 其の六 ジャグリング?とブラックトークの夕べ
長野県北野文芸座「昇太・たい平二人会」
東京芸術劇場小ホール「白鳥大全集」
「清水宏のサタデーナイトライブ19
〜やる気吹雪のお通りでえ!!〜」
恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンルーム
「YEBISU亭」
清水宏のサタデーナイトライブ19 
〜やる気吹雪のお通りでえ!!〜
寒空はだか カラフルロスタイムショーVOL.3 
with ポカスカジャン&柳家喬太郎
Another Side Of 寒空はだか 
ソロ・ライブ in 武蔵小山
ダメじゃん小出の黒く塗れ!vol.2
深川いっぷく「ウクレレ・ブラザーズ ライブ」
アールズアートコート 「松元ヒロソロライブ」
寒空はだか カラフルロスタイムショーVOL.3
with ポカスカジャン&柳家喬太郎
「春風亭昇太オレスタイル」
文化講演会「上方落語のはなし」
トリイ寄席「笑福亭福笑奮闘会」
国立演芸場「それぞれの長屋の花見」
四谷須賀神社・大広間
講談のススメ 其の参 神田阿久鯉(あぐり)勉強会
「阿久鯉の慶安太平記を聴く会(十四)」
なかの芸能小劇場「新作無法地帯Vol.14」
07/3/14.水 しもきた空間リバティ「絹14」
3/14(入れ替え出演者のみ)
しもきた空間リバティ「絹14」
新宿末広亭 3月中席 
しもきた空間リバティ「絹14」
しもきた空間リバティ「絹14」
 

バックナンバー






07/3/10 六本木 SUPER DELUXE
「寒空はだか カラフルロスタイムショーVOL.3 with ポカスカジャン&柳家喬太郎」
shou_chong

今回は、友人のMさん、Sさん、SHIINAさんと拝見。

■オープニング
この会ではおなじみMICABOX feat. Ayako Takatoの、「愛ちゃんはお嫁に」と「東京タワーの歌」(2番まで)。

■はだかさんコーナー
はだかさん、桜を思わせる淡いピンクのスーツで登場。
この季節限定のお衣装です。
タキシード姿とはまた別の意味で、眼福にあずかり光栄至極に存じます。

○ゲストについて
二組のゲストとの関係を簡単に説明。

・喬太郎師匠とは大学時代(学校は別)、共に落語研究会に所属していた頃からのつきあい。
テレビ局主催のコンクールで学生落語王の栄冠を手にした師匠であったが、卒業後はいったん普通に就職。
サラリーマン生活も経験した上で、噺家さんとなる。

・ポカスカジャンとは結成前からの知り合い。
「(ポカスカジャンの)メンバーになりませんか?」と、のんちんがはだかさんを誘った話は、本人がよくおもしろおかしく話しているけれど、真相はこうです、と。
誘いを受けるでもなく断るでもなく、曖昧な表現で明言は避け、とりあえず「考えておきます」という含みを持たせた応えをしておいた。
本当はもう一押しされたら引き受けるつもりで、さらなる誘いの言葉を期待していたのに、あっさりあきらめられてしまった。
ポカスカジャンがこんなに売れるとは思っていなかったので、参加しなかったことが悔やまれる。

簡にして要を得た、そして、そこはかとなくユーモラスな、お客に親切な説明。
自分の会ですと、自分の好きなことだけやり散らかして、時にお客さんを置き去りにする人もいますが、はだかさんは会全体の構成やお客の立場もきちんと考えていらっしゃる芸人さんですね。
舞台監督修行をなさった経験が、こういうところにも生かされているのでしょうか。

以下、ネタの簡単な紹介や感想です。
(順不同ですし、全て網羅されているわけではありません。)

○「オネボウ」
「春眠暁をおぼえず」と言われるこの時期、ピンクの衣装同様に季節限定で披露される曲。
旬を逃すと翌年まで聞く機会がありませんので、聞けた人はとてもラッキーです。
しかし、いっこうにそんな気がしないのは、いい具合に力のぬけた曲調と歌詞のせいでありましょう。
私は、のほほんとしたはだかさんのよさが遺憾なく発揮された名曲だと思います。

○不二家ネタ
「この話題もそろそろ賞味期限切れですが、私は引っぱっていきますよ」だそうです。
「ヤマザキ春のパン祭り」を発端に「パン柱祭り」なる奇祭について語る。
これも季節限定ネタですが、不二家ネタの中に折り込まれるのは今年だけでしょう。
(祭りを題材にしたネタを創られたのは、
親交のあるMICA BOXこと三上敏視さん http://www2.comco.ne.jp/~micabox/ の影響もあるのでしょうか?)

○「卒業ソング」(正式タイトルではありません。)
卒業をテーマにした曲で一発当てると大きい。
(毎年需要がある→毎年印税収入がある、ということですね。)
そこで、はだかさんがヒットをねらって作った卒業ソング。
卒業を前にして、内気な男子が胸の内を明かすという歌ですが、
「♪校門に阿弥陀如来を彫ったのは僕です」
「♪夜の校舎、窓ガラス拭いてまわった」
なんて歌詞が、はだかさんらしいです。
落ちの歌詞もね。
ラブソングだと思わせてヒョイヒョイ肩透かし。
やっぱりはだかさんです。

○DJ&RAPネタ
演芸好きのはだかさんらしく、今は亡き古典落語の名人の名前などがふんだんに盛り込まれた作品になっています。
ラップ「与作」の歌詞は、「ヘーヘー、ホーホー」→「ホーホーホーホー」と移行、いつの間にかラップ「のいる・こいる」に変化。
こんなこと他にだれも思いつきませんし、できませんよ。
ラッパーはたぶん、のいる・こいる師匠にはなじみがないでしょうし、のいる・こいる師匠ファンはほとんどラップは聞かないでしょうから。
両腕を斜め上に上げ、手を下に向け、両腕を上下させながらリズムをとる(日本の)ラッパーたちのスタイルを、「バカな鳥みたいなかっこう」とおっしゃった比喩は最高です。

○「落研ハイスクールロックンロール登校編」
「もと歌(=原曲)知らない人ごめんなさい」とことわって歌われることが多い曲。
「♪今日も元気に 角帯しめて 羽織を背負って 前かがみ
落研ハイスクールロックンロール 落研ハイスクールロックンロール
手ぬぐい入れたし 扇子も持ったし
かわいいあの娘は クルクルパー 長めの駄洒落が 玉にキズ
落研ハイスクールロックンロール 落研ハイスクールロックンロール
お手てつないで 駅まで漫才…」
なんて歌詞ですよ。
ところどころに入る「よいしょっと!」というかけ声?は橘家圓蔵師匠(特に月の家圓鏡時代の)に敬意を表していらっしゃるのでしょうか。
歌詞も台詞も秀逸、私は大好きな曲です。
「たがや」の名場面まで盛り込まれたサービスたっぷりの傑作です。
またこの時のはだかさんが、実に生き生きとして楽しそうでよいのです。
今回に限り「だめですねえ」(三遊亭圓楽師匠の引退表明時のお言葉)という一言が入っていましたね。
ただし、もののついでのようにさりげなく。
そこがはだかさんの美学なのでしょうね。

他に、「コーヒー三部作(勝手に命名)」「マタギ」「スパイの歌(正式名称知らず)」などが歌われました。
君が代ネタもあったかなあ、ちょっと思い出せません。
途中、具体的にどの場面だったのか、どなたの作品についてだったのかは忘れましたが、比較的古い曲をネタにされたときのこと。
比較的大人世代の方からはっきりとした反応がありました。
すると、はだかさん、
「この曲を知っているぞ、と知らせるために拍手をしなくてもいいです。
それほどのネタじゃありません」
なんておっしゃっていました。
拍手をされたお客さんは、ちょっぴり自慢がしたかったのか、はだかさんを独りにしないようにという親切のつもりだったのか、あるいはその両方だったのか、いずれにしろ、はだかさんにすれば無用なことだったようです。
特定のメッセージが込められた拍手や笑いや演者への勝手な呼びかけなどは、純粋にネタを楽しんでいる反応とは異なるため、他のお客さんにも違和感を与えてしまうものです。
よけいなことは考えず、素直に楽しむのが一番ですね。

はだかさんコーナーのお終いは、喬太郎師匠作のウルトラマンをテーマにした歌(だったと思います)。
スマートにきめて、お後、喬太郎師匠と交替。

■喬太郎さんコーナー
喬太郎さん、座布団に座り、お辞儀をし、しごくまじめな顔つきで話し始められました。
「あれ、マクラもなしに、いきなり噺に入るの?」
と、大半のお客さんが疑問に感じていたことと思いますが、喬太郎さん、まったく意に介した様子もなく、淡々と噺を続けます。
なにやらとてもシュールな噺のようです。
「ウルトラマンはどこですか?」という台詞があったので、「ああ、あの噺ね」とは思ったのですが、台詞が断片的に語られるだけなので、まったく筋が追えません。
そして台詞の合間に「恐怖!」とか「興奮!」なんて単語がはさまります。
ますます訳がわかりません。
会場に疑問符が充満したあたりで、喬太郎さん、いきなり
「『ウルトラマンはどこですか?』 原作=夢枕獏、初演=春風亭昇太、再演=柳家喬太郎、の予告編をごらんいただきました」
とご説明。
ああ、まんまとだまされましたよ。
「恐怖!」とか「興奮!」というのは、映画の予告編に出てくる文字だったのですね。
清水宏さん演じるハリウッド映画の予告編とは違い、昭和の日本映画の予告編っぽいところが喬太郎さんらしいなあ。
「今日、この噺をするつもりでいたのですが、間に合わなかったので予告編だけお届けしました」
ということらしいです。

「『寒空はだかのカラフルロスタイムショー』って自分の会なのに、一番先に出るってのがわかんない。
普通、本人がトリでしょう。
この会の進行表を見たら、私の持ち時間40分もあるんですよ。
そんなに長い噺はできませんから、マクラたっぷり話しますよ」
ということで、東北の旅でラーメン三昧された話やら、人間ドックで胃カメラ飲んだ話やら、いつもにも増して饒舌で上機嫌な喬太郎さん。
胃カメラを飲むのは悶絶ものの苦しみだったようで、両足が自然に宙に上がって、両手は虚空をつかんでいたそうです。
(「ネタにできるから」と、全身麻酔ではなく部分麻酔を選ばれるところが、さすが喬太郎さんです。)

時折、はだかさんについても話されるのですが、その様子がまことに興味深かったです。
ご本人も無意識のうちに胸に秘めたる純情が現れて、うろたえていらっしゃる。
はだかさんのことを、「はだかちゃんは…」と言いかけて、「はだかちゃんだって」と反省したり。
はだかさんとの会話を再現しようとなさり、はだかさんの喬太郎さんに対する呼びかけの言葉を「兄(あに)さん」と表現してから、「(はだかさんは)兄さんとは言わないな」と訂正してみたり。
はだかさんに対する思いが、溢れて出ているような感じです。
学生時代に落語を通じて知り合った古い友人であり、今はスタンダップコミックという落語とは少し離れた場所で活動する芸人仲間。
はだかさんの人柄、言語センス、笑いのセンスを、だれよりも愛していらっしゃるのでしょうね。
そして、自分にはないものを備えているはだかさんを、ちょっとまぶしい思いで眺めていらっしゃるのではないかとも思います。
(喬太郎さんも天才的な噺家さんですが、はだかさんは喬太郎さんとは別の個性、魅力を持った芸人さんである、ということです。)
あこがれや尊敬の念を素直に語ることのできる先輩(例:風間杜夫さん)や、舞台上でも軽口をたたきあえる仲間の噺家さん(例:三遊亭白鳥さん)とは違い、はだかさんに対しては、友情、敬愛、憧憬、羨望が入り混じった複雑な好意、愛情をお持ちのようにお見受けします。
(まったく見当違いだったらごめんなさい>喬太郎さん。
でも喬太郎さんはPCユーザーではないそうですから、この駄文は読まれませんよね。)
とにかく、はだかさんが好きでたまらないという気持ちがご自身の意思に反して自然に表に現れているのに気づき、そのことに照れている喬太郎さんは、とてもかわいかったです。

この日の喬太郎さんは終始ハイテンションで、遠足の日の子供のようにウキウキされているようにもお見受けしました。
はだかさんの会に呼ばれたことがよほど嬉しかったのでしょうか。
喬太郎さんの会に、はだかさんがゲスト出演されることは多いですが、その逆のパターンは珍しいですものね。
そして、お客さんも意外に演芸ファンが多いことがわかり(はだかさんの、のいる・こいる師匠ネタが受けていたのをご覧になり、安心されたご様子でした。)緊張が解けたのか、のびのびとマクラをなさり、途中、客席下手寄りから何かの音がしたときも、
「もう、噺に入れってことですか? まだ、やんないよ」
と舌好調でありました。

小三治師匠に倣ってたっぷりのマクラの後は、いよいよみなさんお楽しみの落語。
「ウルトラマンはどこですか」の代わりになさったのは「ハワイの雪」でした。
私にとっては思い出深い噺です。
喬太郎さん落語、初体験の噺ですので。
これで、いっぺんに喬太郎さんファンになり、落語会に頻繁に足を運ぶようになったのですから。
もともとは三題噺だそうですが、三つのお題とは何だったのでしょうか。
喬太郎さんは、作品によっては、古典でもご自身の新作でも、大胆にアレンジを加えられることがありますが、この噺は私が初めて伺った8年前から変化していないようです。
きっと、生まれたときから完成された作品だったのでしょうね。
この日は、会場で出演者のCDを販売していたため、その宣伝のために、(たしか)「東京イメクラ音頭」と「大江戸ホテトル小唄」もご披露、ボリューム満点の「ハワイの雪」でありました。

■ポカスカジャンコーナー
休憩があけたら、いつものテーマミュージックにのってポカスカジャン登場!
と思ったら…一人の男性が舞台に歩み寄り…
だれ、この人? スタッフさん? 何か告知があるの?
と思ってよく見たら、はだかさんでした…

*正直に白状しますが、私、この時点で、この会がはだかさんメインの会だということをすっかり忘れておりました。
喬太郎さんのマクラと噺をたっぷり聴き、休憩中に隣のSHIINAさんとポカスカジャンの話をするうちに、はだかさんのステージを拝見したことは完全に忘却の彼方、遠い昔の出来事のようになっておりまして、頭の中では、本日の会=「喬太郎&ポカスカジャンの会」のようになっていたのです。
ですから、はだかさんが登場されたとき「なぜ、はだかさんが?」と一瞬とまどったのでした。*

はだかさんが出ていらしたのは、「CDを販売しておりますので、みなさん買ってくださいね」というお知らせを言うためだったのですが、たぶん、ご自身のコーナーで言い忘れたのでありましょう。

というわけで、ワンクッションあって、今度こそポカスカジャン登場!
テーマ曲を歌い終えると、のんちん「ポカスカジャン結成時にはだかさんを誘ったいきさつ」について少々補足説明。
のんちん「(はだかさんは)本当はギターが弾けるのに、持たずに弾いているフリをしていると思ったんだ。とんちのきいた芸だなあ、と思ってさ」
省吾さん(すかさずつっこみ)
「とんちのきいた、って、その(言葉の)使い方は間違ってるよ」
(*私思いますに、この「とんちのきいた」という表現は、多分にタマちゃん的でありますので、――実際、タマちゃんが使っているのを聞いた覚えがあるような――。のんちんがタマちゃんに倣って用いたものではなかろうかと推察いたします。*)

のんちん「当時、省吾が入ることは決まっていたんだけど、三人目のメンバーが決まっていなくて…(はだかさんを誘った頃)タマちゃんのことは知っていたんだけどね」
タマちゃん「知っていたなら、最初から(俺を)誘えよ!」
と、三人のやり取りを聞いているだけでも十分楽しいですねえ。

ネタはファンにはおなじみ、ワールドミュージック、三バカ大将、ゲップトーンズなど。
コミックバンドのみなさんは、音楽と笑い両方表現するのですから、単純に考えても労力は二倍かかるはずです。
実際には、二倍どころではない、もっと複雑で微妙な作業があるのでしょうが。
それで、どのネタもレベルが高いのですからすばらしいことです。
例えば、三バカ大将とは、
バカ殿様+アホの坂田+裸の大将=ラベルの「ボレロ」
というネタなのですが、これがバカバカしく、おかしく、美しく、リズミカルでよいのです。
私自身は、三バカ大将に選ばれたキャラクターはベタすぎて苦手なのですが(演じていらっしゃるご本人、お三方については、お会いしたことがないので、なんとも言えません)、ポカスカジャンのこのネタは好きなのです。
オリジナルは苦手な者でも、アレンジしたネタは好きになれるというのは、すごいことですね。
たぶん、ポカスカジャンのお三方は、ベタに演じているようでもやっぱり音楽的に洗練されていて泥臭さはないので、おもしろさだけが残って楽しむことができるのでしょう。

ネタ自体はどれもしっかりできているのですが、時々、タマちゃんが予期せぬ行動をとるのも楽しみの一つです。
のんちんも省吾さんも、タマちゃんの行動はある程度までは予想できても、最終的にはどうなるかわからないので、一定のラインを越えたら、お客さんと一緒になって楽しんでいるような節があります。
実際、のんちんが笑顔でタマちゃんのことを見ていた瞬間が何度かありましたからね。
メンバーのお二人どころか、タマちゃん本人にも自分の行動が予測不能のところがあるようです。
「津軽ボサ」を歌ったときのこと。
客席に小学生男子を見つけ、彼の隣で歌おうと思い立ち、ステージを降りたタマちゃん。
歌いながら自分で「俺、どうしてここで歌っているんだろう?」なんて言っているくらいですから。

ポカスカジャンコーナーお終いの曲は、タマちゃん作の「アジアの台風」でした。
この曲は、拳をつきあげたり、「どっこいしょ」というかけ声を入れると盛り上がるので、そのタイミングをお客さんに指導するのがタマちゃんの役目です。
まず曲のツクリを簡単に説明したタマちゃん。
さらに、早口で以下のように続けました。
「…と、いたって月並みな(曲の)構成だというガッカリな情報がもたらされたわけですが…」
話の途中から、第三者のような客観的な物言いになっているのがおかしいです。
しかし、これくらいは朝飯前?のタマちゃんなので、お客さんもおおらかに受けとめています。
リハーサルの成果か本番はばっちり決まり、大いに盛り上がってポカスカジャンコーナひとまず終了。

■アンコール&フィナーレ
アンコール1曲目は、はだかさんも加わり四人編成のポカスカジャン(のんちん理想の形?)で、ボ・ガンボスの「トンネル抜けて」。
最初は別の曲をする予定だったそうですが、のんちんとはだかさんの好きなこの曲に変更したのだとか。
ボ・ガンボスがどの程度認知されているのかわからず、最初は少々不安そうだったのんちん、お客さんの反応が思いのほかよかったので、とても嬉しそうでした。
四人が(特にボーカルを務めたのんちんとはだかさんが)、ボ・ガンボスを愛する気持ちが伝わってきて感動的でした。
(はだかさんが気持ちよさそうに真空ギターを弾いているのを見て、のんちん、
「俺はこれにだまされたんだ!」と叫んでましたけど。)

さらにアンコールの2曲目は、本日の出演者全員にVol.1のゲスト今野さん、昇太師匠も加わった豪華メンバーによる「ダイナ」。
この曲をリクエストされたのは喬太郎さんだそうですが、当の本人は曲が始まるまで舞台の奥に引っ込んで他のメンバーに呼ばれるまでなかなか前に出てこられませんでした。
照れくさそうに微笑んでいるその様子は、落語をなさるときとはまるで別人、内気な少年のようで、とてもかわいらしかったです。
たしか、最初にディック・ミネの「ダイナ」を1番だけ、後はエノケンの「ダイナ」を一人ずつ順に歌うという構成だったと思うのですが、エノケンの「ダイナ」は、
「♪だんな 呑ませてちょうだいな おごってちょうだいな たんとは呑まない…」
という飲兵衛の太鼓持ちみたいな歌詞ですので、心は「内気な少年」の喬太郎さんも落語の要領で役になりきり、照れを隠して歌っていらっしゃいました。
(余談ですが、喬太郎さんに限らず、舞台の上でおもしろい芸人さんほど、素顔は慎み深く恥じらいをお持ちのようにお見受けします。)

昇太師匠は替え歌で「♪だれか 結婚してちょうだいな〜」なんて歌っていました。
(喜んで応じる用意のある女子は多数いると思いますが、昇太師匠はこんな風に歌っていても、絶対に妥協はしない人でしょうから、双方が同じ熱意を持って合意に達するのはなかなか難しいことだと思います。
なんて余計なお世話でしたね。失礼しました。)

ところで、VOL.1から拝見していて強く感じるのは、アンコールのときの出演者のみなさんの表情がとてもよいことです。
全員、楽しくてたまらないというお顔なんです。
毎回ゲストも選曲も違うのに、毎回だれもが幸せそうなんです。
こういう会はそうそうあるものではない。
ホストのはだかさんのお人柄もありますが、会そのものにも出演者を魅了する力があるということでしょうね。
だから、Vol.1のゲスト、昇太師匠や今野さんは、VOL.2も、そして今回のVol.3もいらっしゃったのではないかしらと思います。

そして、幸せそうなゲスト出演者のみなさんは、曲が終わるとにこやかに退場。
残ったホストのはだかさんは、いつものように「東京タワーの歌」を歌われ、カラフルロスタイムショーVOL.3は幸せの余韻を残しつつも、あっさりと終了いたしました。

■終演後のおしゃべり
一人で拝見するときは、会全体を反芻し、余韻に浸りながら帰る楽しみがありますが、お友達と一緒のときは、感想を語り合う楽しみがありますね。
今回は後者の楽しみを味わいました。

SHIINA「私は(会を見ながら)『シャボン玉ホリデー』や『ゲバゲバ90分』を思い出していました」
私「『シャボン玉ホリデー』いいですねえ」
Sさん「『シャボン玉ホリデー』大好きです!」 
私「Sさん、『シャボン玉ホリデー』知ってるの?」
(Sさんは四人の中で一番若いのです。)
Sさん「昔の番組を紹介する特集番組で見ました」
私「私はクレージーキャッツが大好きなんです。
だから、ポカスカジャンが出てきて(=デビューして)くれたとき、すごく嬉しかった。
タマちゃんの言葉使いはちょっと変だけど、私はあの言語センスが好きなんです」
Sさん「私もですー」
私「話し言葉は変わっているけど、ラブソングの歌詞は美しいんですよねー」
SHIINA「昔は、笑いと音楽、両方一緒になった番組がありましたよね」
他の三人「そう、そう」(と頷く。)

友人との会話までレポートに組み込むのはいかがなものか、と思われる向きもあるかもしれませんが、実を言うと、この部分が一番この会の本質を表しているような気がするのですよ。
SHIINAさんの感想をもとに、清水義範作「国語入試問題必勝法」風にレポートするなら、
「カラフルロスタイムショーは今様(いまよう)シャボン玉ホリデーである」
で事足りそうです。
では、ここまで長々とした文を読んだ時間はなんであったのか?
と、不満に感じたみなさま。
ま、これも一種のカラフルロスタイムということで、ご勘弁くださいませ。

top

Copyright (C) 2003 marishiro

 

inserted by FC2 system