07/3/15 アールズアートコート 「松元ヒロソロライブ」
shou_chong
ヒロさんライブはすばらしかったです。
ヨージさんワールドではありませんが、全てのネタが、序列をつけられることなく、水平に並んでいることに感動しました。
桜の開花予報訂正、安部首相、松元ヒロ候補、納豆、ナントカ還元水、夕張報告、
ひまわり、灰谷健次郎さんの話、後進に伝えるパントマイムの技術、小学6年の時の担任の先生の話、今日のニュース、天気予報
(どれも正式名称ではありません。)
この中のどれが一番ということはなく、どのネタもよかったです。
ヒロさんは、時事ネタ、政治ネタを積極的になさる芸人さんという印象が強いのか、そういうネタを歓迎するお客さんも多いような気がします。
あるいは、灰谷健次郎さんの話や、担任の先生の話のような、感動的な作品にとりわけ強い思い入れを持つ人も多いような気がします。
しかし、ヒロさんは政治的には右、左どちらにも偏っていない人ですし、そのネタも政治ネタや感動ネタだけに偏っているわけでもないと思うのです。
納豆みたいなほのぼのとしたネタや、ひまわりみたいなおバカなネタも、同じように愛していらっしゃるのだと思います。
これらのネタは、政治ネタ、感動ネタの合間に挟まった単なる緩衝材ではない。
立派な独立した一つの作品なんですよね。
ヒロさんは
時事ネタ、政治ネタ=高尚
おバカネタ=低俗
と、単純には考えていらっしゃらないのだろうと思います。
人間って、いつも一つのことだけを考えているわけではないですものね。
だからネタだっていろいろあるんですよ。
ヒロさんはバランス感覚が優れた人なんでしょうね。
パントマイムも、コメディ派→芸術派の順で、両方習われたのですから。
双方に交流があるのならともかく、分断された二つの派、
どちらにも身を置くということは、かなり勇気のいる行為ですよね。
(しかも、コメディ派の仲間から非難までされて。)
バランス感覚に優れているからなのか、
時事ネタ、政治ネタでも、声高に上からものをいうような表現はされませんよね。
そして、感動的なネタでも、人の気持ちを煽るような、おおげさな演技もされません。
ネタの押し売りはなさらないのです。
観客が素直に、感じたいように感じることができる。
だから心地いいのです。
ヒロさんの前だと、あの談志師匠がこどもみたいに
かわいらしくなってしまうのも、わかる気がします。
ヒロさんには相手の緊張感を解く才能がおありなのでしょうね。
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