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07/3/8.木 しもきた空間リバティ「絹14」
イイじゃん。
・THE GEESE
タクシー運転手と乗客の会話。
コトバ遊びも脚本の基本なんでしょうけど、
「行かないですか」「行かないでください」
「観ませんでした」「観たくなかったんですよね」なんて、
肯定の表情で否定の会話をされる。
まだアタマの隅があったまってないと、真面目に聞いて、
「どっちなんだろう」「表情が本心なのか、コトバを信じていいのか」
なんて追いかけてしまいました。
台詞も噛まず、柔らかい表情で、淡々と会話が進むうち、
「なくなかったですよね」「なくないですよね」まで出てくる。
もうだめ。理解しようとしなくていい。やられた。
もうこの会話が自然に聞こえ、ルールに慣れてしまう。
素直に笑うしかない。
もともと運転手さんと乗客で表情は見えていないんだな。
THE GEESE は、あと味がいいです。
爆笑も涙も残さない、消化不良のない美しい二人です。
・サンプリアン
これまた、基本?
堅い姿勢で、構えて観てると、「タンタン」に何か意味があるはずだ。
「マンマン」は何かの暗号か?
なんて、探りを入れて聞き入ってしまう。
本気でからかわれたのは、観客じゃない!
演技が光っていました。
・寒空はだか
派手なんだか地味なんだか。
舞台の背のカーテンをさりげな〜く引いて
一瞬「?」と思うが、おや不思議。
観客としては舞台に集中することができ、
視覚的にもひとり、舞台の中央に立ってしゃべくって、歌うはだかさんが映える。
ペースが速くて、ひとつひとつに感動している暇はない。
でも、
両手にお弁当持って、銃を構えられなかったまぬけなマタギの兄。
東京タワーから、マリンタワー、え?閉館?ならばランドマークタワー、京都タワー。
「心に残らず耳に残る」お話と歌で、たくさん笑っタワー!
・春風亭栄助
お衣装は「一様落語家なもんで」と綺麗にして出ていらっしゃいましたが、
高座と違って舞台はスタンディング。
あのお衣装で立ってお話をしているのを観るのはなぜか
こちらが座り心地が悪いような気がします。
もしかしてご本人も、慣れなくて、落ち着かないんじゃないかな〜と思ったりしました。
お話は小学生の作文「将来の夢」。
そうそう、多分、今の子供たちって、大人が驚くようなこと考えているんだろうな〜、
と聞いていましたが、いや、まてよ、この視線は大人かな?
今、自分たちが子供だったら、って夢の話でもあったと思います。
検定ネタも流行モノのひとつ。
落語家さんでありながら、型にはまらない。
いつも新しいモノをみつけて、お話を作っていらっしゃる姿に感心させられました。
・だるま食堂
ボインボインショーしか存じませんでした。
明るく、元気で、楽しい3人さんのキャラクターに楽しませていただきました。
向かって左の中くらいに、真ん中が
「おっきいの!」って呼ばれて、
「大きいじゃないわよ、長いって言ってほしいのよ」
あ、そっか、この3人は3本の「髪の毛」なんだ。
だから、右に「短いの!」って言ったんだ。
ドライヤーの熱風や帽子による多湿、持ち主の感情の変化にも
「毛が3本!毛が3本!」って協力して頑張ってきた3本の気持ちがよく伝わってきました。
また、突然のゴスペル(風?)あり、コントあり、で経験と実力を感じました。
・ナギプロパーティ
本来の目的を履き違えたままプレゼンに挑む新人。
導入、挨拶、レジュメ、資料・・・形は確かに「プレゼン」なんですけど。
なんで、S社でブロッコリーなの?バナナなの?なんで長芋なの?
なんの脈絡もない。あれ? もしかして新人には何か脈絡があるのか?
答えは「ない」。
というより、新人にとって脈絡さえ必要ない。
無視。
(じゃあ、なんでプレゼンやるんだよ〜!)
スタイルだけ身につけている新人。
途中で話を止められると最初からやり直し。
質問に逆切れ。マニュアル化というか、無感情というか。
たまに出会うこういう類を私は自分の中で「(感情)低体温」と分類してしまいます。
・思いやり銀行?
考えさせられる内容だな〜。金銭的にも評価されようのない「思いやり」の価値ですね。
貯めておいたり、運用したり、投資したり、できないでしょう。
ましてや自分でコントロールできない感情だったりするのです。
この中での「みんな一緒だよ」の台詞はぴったりでした。
こういうこと言う人ほどわかってない、感じてないってことなのよね〜って。
どちらも鋭い切り口であります。
脚本も、俳優さんも真面目さが伝わります。
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