07/3/24.土 深川いっぷく「ウクレレ・ブラザーズ ライブ」
三谷潤一
「まりしろ」でおなじみの高野ガラス店主さんのお誘いに乗っかりまして、行って参りました、清澄白河。
感じの良い商店街をぶらぶら歩いて無事到着。
30人で本当にいっぱいになる空間で、ライブと座談会セットで1000円。
ライブだけなら600円。お茶菓子付きのお身内価格。
ウクレレブラザーズって二つあるんだそうです。
「CDを何枚も出してる有名なのと、ぼくら。でも、こっちのほうが先。」
三人編成で、お二人がウクレレ。お一人はパーカッションなんですが、実にたくさんの楽器が机の上に並びます。でも、ドラムはないの。
わずかにウクレレが小さなスピーカーにつながってるだけなんで、アンプラグドって言っていいよねえ?歌うのも話すのもマイクなしなんだもんね。
初めて聴く歌がほとんどなんですが、山手線沿線の駅にちなんでるんです。
もちろん、オリジナルです。多分にリスペクト色のついた。
「丸ビルは丸いビルって思ってたら、違ってた」とか
「あなたを待てば槍が降る、だから有楽町で会いません」とか
「渋谷のハチ公は帰りたくても帰れない、銅像だから」とか
「池袋のいけふくろう、ほ〜ほ〜ほ〜っと鳴いている」とか
「(秋葉原のガード下で)今宵あなたとはんだ付け」とか
「(アメ横の)魚肉そぉ〜〜せぇ〜〜じぃ〜」とか
「とげ抜き地蔵をせっせ、せっせと磨くのよ」とか
「目黒通りをさんまが泳ぐ」とか
「神田の駅構内にある喫茶店」の歌とか
何だかわかりませんか?
いや、クスクスできれば、それ以上何を求めようっていうの?ってこってす。
桂雀三郎とまんぷくブラザーズの「ヨーデル食べ放題」や「串揚げ専門店やぐら」シリーズなどと近いノリですよ。
くだらなさが愛おしい。
1曲目終わったところで、「チューニングした方がいいよ」って二人で合わせたり、
コードの押さえ方を訊かれて「さっきオレに教えてたじゃん」なんてやりとりがあったり、
「あれ?この楽器の持ち方、どっち向きが正しいんだっけ?」とかね
「この歌、どんなんだったっけ?」なんてねえ、構えてない。
それがまたおかしい。
「録音、撮影、どんどんやって貰って構いません。こんなくだらないことを50歳近いオッサンがやってる、ってことを世間に広めちゃって下さい」
「携帯電話の電源切らなくていいです。僕らも切らずに置いときます。
もし、かかってきたら出ちゃって下さい。その代わり僕らもその電話に出ます」
って、良い肩の力の抜け具合でしょ?そういえば、メンバー紹介なかった気がします。
ハチのような虫が飛んでたんですよ。虫は嫌われますからね、客席がざわざわします。
「あ、それはね、ハチです。ここで飼ってるんです。タロウっていうんです。 刺したりしませんから大丈夫、気にしないで下さい。」
って咄嗟に出てくるところは、人との接し方、言葉の掛け方をわかってる大人のさりげない技ですよ。
で、「あ、スゴイ!次の歌はハチ公だ!」
その後、タロウ君は小さな鐘のような楽器で封じられてしまうんですが、
「捕まえたのは良いけど、これ(楽器)、すぐ使うんだよなあ」
何だかほのぼのおかしい。
知ってる歌もありました。
伊藤咲子の「ひまわり娘」、アンコールの桜田淳子「黄色いリボン」。
「スター誕生」ですな、バーブラじゃないですよ、欽チャンの方。
ウクレレに乗せて、男性の声で聴くのがまた良いんです。名曲なんだなあ、って。
緊張してる感じはないんですが、自己満足には決して陥らない。
自分たちも楽しみたいけど、聴く方にも楽しんで欲しい。
でも、そこに野心とかは無いの。だから、品があるんですね、きっと。
聴いていて心地よいのは、多分、ウクレレのせいばかりじゃなく
そういう気分が伝わってくるからなんでしょうね。何だか楽しいんですよ。
メンバーのお三方が普段は本業がお有りでしょうし、お忙しい筈ですから、
なかなかお目にかかれないとは思います。特に平日は難しいんでしょうね。
でも、繰り返されるフレーズを口ずさめるようになれるくらいは繰り返し聴いてみたいです。
空間の包容力増すこと著しい「絹」あたりでできません?
意図がずれちゃうからダメ?
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