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2005/5/31
新宿末広亭「余一会 六人の会プロデュース『明日の寄席』昼の部」
三谷潤一
新宿末広亭の入口から両脇に二つの長蛇の列が出来ているのを横目に、入場できたのが開演5分前。
中に入ると両脇の桟敷席の後ろの戸板が取り払われ、そこにも立ち見のお客さんがびっしり。
ということは二階席も満杯だな。
表の行列は夜の部だったの?
大変なことになっているのは間違いない。前売券が買えてよかった。
立ち見はびっちりだが、前売り指定席の方は空席がちらほら。
志の吉 「寿限無」
談春 「鮫講釈」
歌武蔵 いつもの相撲のはなし
ロケット団 漫才
市馬 「雛鍔」
桃太郎 「柳昇物語」
紋之助 曲ごま
吉弥 「時うどん」(関東バージョン)
喜多八 「小言念仏」
鶴瓶 「松鶴物語」
ペペ桜井 ギター漫談
小朝 「居酒屋」(三枝バージョン)
歌丸 「草履鍋」
仲入り
花緑 「目黒のさんま」
昇太 「力士の春」
正蔵 「ぞろぞろ」
小雪 「大神楽」
志の輔 「千両みかん」
余一会という特別興業だから、当たり前といえば当たり前なのかもしれないが、代演が一人もいなかった。
4時間40分、短く感じられた。
できるんだなあ、こんなことが。
ご一緒した方達に、誰が印象的だったか聞いてみた。
「やっぱり、志の輔だな。吉弥も良かったよ。」
「『鮫講釈』は難しいんだよ。それを談春がよく演ったね。」
「ロケット団が一番おかしかった。」
「桃太郎と喜多八。」
「時間調整と客受けの両方を見事にこなした紋之助こそ寄席の芸」
(コマを回しながら客席を一周していた。)
その他の感想諸々。
「昇太が研鑽会のときと同じ(SWAの真っ赤な)着物だったね。」
「市馬の出方が若いときの志ん朝に似てませんでしたか?」
「花緑の殿様は志村けんのバカ殿だったね。」
「よくこれだけのメンバーでやれたね、会派を越えて。凄いことだよ。」
本当に。『明日の寄席』というネーミングも含め、このプロデュースは凄い。
寄席という空間が落語には相応しい。
そこで、ベストといえるメンバーで落語を聴ける機会がないなんて勿体ない。そのことに気付かされる。
惜しむらくは持ち時間の短さ。もうちょっとじっくり聴けたら、と望むのは贅沢かな。
「若い客が多かったなあ。生落語が初めて、という人もいたんじゃない?」
そうでした。ペペ桜井先生のギターとハモニカ吹きながら歌うのや、曲ごま、大神楽に「おーっ」って感嘆の声が結構、上がっていましたから。
今まで来ていない人が足を運ぶ。ブーム、ってそういうことかもしれない。
平日の昼間だっていうのにね。
でも、多分、仕事や学校をさぼっちゃった共犯者の悦びっていうのもあった筈。
お互い、バカですねぇ、物好きですねぇ、っていうような。
オレだけ?
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