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「楠美津香ひとりコント〜東京美人百景」
内幸町ホール「東西若手落語家コンペティション 2007」
内幸町ホール「東西若手落語家コンペティション 2007」
「寒空はだかカラフルロスタイムショーVOL.4 with
彦ちゃん&栗Q」
大阪・天満天神繁昌亭
「桂あやめ落語家25周年★五日のあやめ〜
一日三席相勤めます〜」
アルカイックホールオクト(大阪・尼崎)
「春風亭昇太独演会 オレスタイル」
しもきた空間リバティ「絹15セレクト シャラポワ寄席」
しもきた空間リバティ「絹15セレクト ヨージベストライブ」
桂あやめ落語家25周年★五日のあやめ〜一日三席相勤めます〜
長野県民文化会館「清水ミチコのお楽しみ会」
●しもきた空間リバティ「ヨージ単独ライブ」
しもきた空間リバティ「絹15セレクト ヨージ単独ライブ」
銀座みゆき館劇場「丸山おさむシークレットライブ至極の
なかの芸能小劇場「せめ達磨アパッチ vol.08」
シアターIWATO「東京モザイ区」
●池袋・シアターグリーンBOX IN BOX が〜まるちょば 
HIRO-PONソロ舞台公演「SEX, HIRO-PON,
まつもと市民芸術館「志の輔独演会」
なかの芸能小劇場 「ヨージ単独ライブ」
高円寺Club LINER「宮城マリオ・ゲストライブ」
武蔵小山カフェアゲイン「カフェ落語」
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「関東落研連合プロデュース公演:喬太郎に挑む学生落語家」
 
両国シアターX
「マルセ太郎メモリアルシリーズVol.3花咲く家の物語2007」
下北沢BigChief「講談大酋長」
内幸町ホール「東西若手落語家コンンペティション」
国立演芸場「イエス玉川独演会」

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07/5/27 六本木SUPER DELUXE
「寒空はだかカラフルロスタイムショーVOL.4 with彦ちゃん&栗Q」
shou_chong

今回は、友人のMさん、SHIINAさんと拝見。

<ライブその前に>
SHIINAさんのお言葉(腹ごしらえのために寄ったうどん屋さんにて)。
「カラフルロスタイムショーは(例えるなら)アソートチョコレートみたいな会。
それも、はずれなしのアソートチョコ。
メ●ーのアソートでも、うわー!という味のものがあるけれど、カラフルにはそれがない。どれも、みんなおいしい!」
けだし名言なり!

<ライブその最中>
■オープニング
おなじみMICABOX feat. Ayako Takato。
1曲目「銀座カンカン娘」
高遠さんのファッションがそれらしい雰囲気で素敵でした。
「♪赤いブラウス、サンダルはいて」ではないけれど、青地(セルリアンブルーという色に近い?)に黒の水玉のワンピースが4番の歌詞に出てくるカルピス(それもデザイン変更される前のパッケージに包まれた瓶入り)を連想させます。
2曲目「風を集めて」
5/22のMICABOXのライブでも歌ってくださった曲。
その時は高遠さん、「一箇所間違えてしまった」のだとか。
三上さんも「難しい曲だよね」とおっしゃっていました。
耳に心地よい曲ですが、歌うと難しいのですね。
私は好きな曲なので、また聞くことができて単純に嬉しかったです。
3曲目「東京タワーの歌」
もう、この会ではお約束みたいなもの。
はだかさんとはまったく違う歌い方、高遠さん色の「東京タワーの歌」です。

高遠さんは曲によって変幻自在に歌い方を変えられる方です。
お名前にふさわしく、また会のタイトルにも似つかわしく、場面に応じていろんな色合いを出せる方です。
そんなカラフルな高遠さんの魅力をチラリと見せるだけとは。
いや、実にどうも贅沢だね、にくいね、旦那(=馬場さん&はだかさん)と思う私です。
(幇間か>自分)

■はだかさんコーナー
まず過去3回の会を簡単に振り返り、それぞれの特徴を語るはだかさん。
1回目、2回目は影のテーマがウクレレ、3回目にして影のテーマは寒空はだか。
(自分の会なのに既に影に引っ込んでいる。)
そして4回目ゲストを紹介。
林家彦いち師匠=落語界の鉄腕ダッシュ。
彦いち師匠との絡みで言えば、忘れもしない、何年も前、赤坂のグラフティというライブハウスで師匠と一緒に出た会。
寒空はだかが毎回噺家さんをゲストに迎え紹介するというシリーズの会のはずだったが、1回目であまりにお客が少なく、ライブハウス側から二度とお呼びがかからなかった。
と苦い思い出も告白。
(因みにその会は、2003年11月10日に開かれました。
「第1回赤坂はだかNight」と言います。
「雨の日と月曜日は=Rainy Days And Mondays」というThe Carpentersの名曲がありますが、この日は雨の日で月曜日だったんですよね。)
栗コーダーカルテットは、世界3大カルテットの一つ。
あとの二つはMJQと玉川カルテット。
(私、光栄にも全て生のステージを拝見しております。)

さて、肝心の珠玉のネタの数々ですが、個人的には見倒したものが多かったので具体的に何を拝見したのか全ては思い出せません。
ごめんなさい。
時事ネタに入る前でしたか、昨今のニュースに絡めて、以前なら大人にならないと手に入らなかった情報が、子供でも簡単に手に入れられるのが今という時代、なんて話をされていましたね。
昔は大人が見るような雑誌を手に入れるのも一苦労で、自販機にこっそり買いに行くのだが、そういう自販機はおつりの出る音が決まってガチャン、ガチャンと大きく鳴るようにできていて、出てきた雑誌を抱えてあわてて家に帰り、さてよく見てみれば少年マガジンだった(ジャンプだったかな、ちょっと思い出せません)なんてことがあり、だから昔の子供は早く大人になりたいと思ったのに、今の子供は情報が溢れているからそんな願望は持たない、というような話だったと記憶しております。
(大人の情報という話で、「11PM」をすぐに思い浮かべてしまった自分はやはり昔の子供だと思いました。
実際にあの番組をよく見ていたわけではないのですけどね。
象徴的な意味で大人の番組のように感じていたのです。)
本編の時事ネタは危なくて文字にはできないので割愛。
・「皇室演芸会」も傑作ですがライブで楽しむしかないネタですね。
・「とついだるねん」は穏やかなネタですが、耳で聞いて楽しむネタですね。
・「僕の彼女は狼女」(正式タイトル知らず)は、歌詞がバカバカしくて大好きです。
メロディはとても美しい。
3番の終わりの部分はちょっとせつない気分になります。
コミックソングだけど、私はトーチソングの名曲だと勝手に思っています。
私の中では世界3大トーチソングの一つです。
(あとの二つはハンバートハンバートの「おかえりなさい」と、長谷川きよしさん歌うところの「枯れ木の上に」。)
今度アルバムを作成することがあるのなら、「カヤバコーヒーの歌」と並んでぜひ入れていただきたい一曲です。
・「俺は殺し屋デンジャラス」をツインギターの生伴奏(栗Qの川口さんと近藤さん)つきで聞けたのは貴重な体験でございました。
ありがたや、ありがたや。

■彦いち師匠コーナー
マクラではいっ平さん始め、師匠の周りの個性豊かな興味深い方々のエピソードをご紹介。
「お母さんに言いつけるよ」「自分、自由席ですから」にお客さん大笑い。
(未見の方の今後の楽しみのために内容省略。)
噺は「長島の満月」。
SWAから生まれた噺ですね。
初演の時よりも細部にふくらみがでて、進化した印象です。
体育会系、アウトドア志向の強い行動派というイメージの強い彦いち師匠ですが、意外に繊細な一面をお持ちなのですね。
大学生の頃、宴会の席で子供時代の話題が出ても、周りのみんなと共通の体験がないために会話ができず、困り果てる彦いち師匠。
しかし、共通の体験がなくとも、何も体験していなかったわけではない。
みんなとは別の体験をしていたのだ。
そのことを、自慢するでもなく、卑下するでもなく、静かに過去を振り返っているようなお話。
お月様が空の上から人を眺めているように、今の彦いち師匠が昔の彦いち師匠を見つめているようなお話だと感じました。
それこそとても月並みですが、摎君(=テレサ・テン)の「月亮代表我的心」を思い出したりしましたね。
歌詞と噺の内容がぴったり重なるわけではないですよ。
私の頭の中だけのテーマソングです。

■清水宏さん飛び入りコーナー
2回目ゲスト清水さんが飛び入り出演。
一気に会場の温度が高まります。
清水さん、例によって異常なハイテンション。
いきなり登場し、瞬時にお客さんを巻き込みます。
もう圧倒的なパワーです。
でも、決して空回りしないのです。
そこが清水さんの実力です。
やる気マンマン男を見ているだけで、なぜか猛烈におかしいのです。
後頭部が痛いです。
映画の予告編「ハリウッド版サザエさん」に大喜びのお客さん。
本来は休憩時間なので、飲み物を頼むのも、トイレに行くのもお客さんの自由なのです。
でも、ちゃんと清水さんの時間になっていました。
そして、会場は清水さんの濃い色に染まっていました。
♪疾風のように現れて、疾風のように去っていく〜かっこいい清水さんなのでした。

■栗コーダーカルテットコーナー
栗Qの音楽はとても心地がいいのです。
音楽的なレベルは高いのだけど、うまいぞ〜!!という押し付けがましさがないのです。
人柄のいいみなさんが、仲良く、楽しく演奏しているから、聞いていると適温のお風呂に入っているみたいに気持ちいい。
4人のみなさんの集まり方が、大人のサークル活動、という雰囲気なんですよね。
顧問の先生がいるわけではないから、学校の部活動ではない。
音楽好き、気の合うお友達同士が集っている。
しばりのない、のんびりした、緩やかな、穏やかな、いい感じです。
みなさんそれぞれソロや、別のユニットで活動もされているので、栗Qというのは固定的なユニットではないのですよね。
そういう開放感もいいのでしょうね。
「やる気のないダースベーダーのテーマ」(正式タイトルは「帝国のマーチ」)は栗Qらしいよさが出ていて素敵です。
聞いている間中頬がゆるみっぱなしで、くすくす笑いがこみあげてくるんですよね。
今回はなさいませんでしたが「ハイウェイ・スター」もロック色が見事に脱色されていて笑えますよ。
ほどよく力のぬけた栗原さんのトークも楽しいです。
(実は私、心密かに演奏と同じくらい楽しみにしていたりするのです。)
面白いことを言うぞという意気込み、お客さんに受けようというねらい、そういう下心がなさそうなところがとても好ましいです。
リラックスした話の中に、そこはかとなくユーモアがただよう品のよさがよいのです。
他のメンバーとの会話も、のどかなおかしさがあって微笑ましいです。
大人のサークル活動万歳!という気分であります。

■アンコール、フィナーレ
全出演者と歴代のゲストがステージに並びました。
1回目のゲストが来たがり(昇太師匠、東京ランデブーの今野さん)、
2回目のゲストが来たがり(清水さん)、
3回目のゲストが来たがり(PSJののんちん)、
4回目のゲストが来たがった(彦いち師匠=今回は当然として、過去にもアンコールで参加)、
夢のような会ですね。
出演者のリピーターが多い会というのも珍しいのではないでしょうか。
(友人のSHIINAさん曰く。
「そのうちに、ステージに乗りきらなくなってしまうのではないかしら」)
アンコール曲のタイトルは、私は初めて聞く曲でしたし、メモも取りませんでしたので覚えておりません。
すみません。
とにかく、みなさん楽しそう、嬉しそう、幸せそう。
そして感謝しているような笑顔が美しい。
アンコールの後ははだかさん一人残り、いつものように「東京タワーの歌」でお開き。
今回も楽しいの5乗くらいの会でした。

<ライブその後に>
■終演直後
会場では次回のチケット予約を受け付けていたのですが、私とMさんは「次回も行く!」と決めていましたので、アンケート兼申込用紙に希望枚数2枚と書き込み、早々と提出。
SHIINAさんは終演まで迷っていましたが、最終的に「行く!」と決意。
となると、希望枚数3枚に訂正しなければなりません。
そこで、アンケート兼申込用紙の箱を持っていらした三上さんに事情を説明。
(出演者自らお手伝いなさるとは。
しかもなんだか楽しげな三上さんでした。
カラフルロスタイムショーならではですね。)
三上さん、箱の中に手を入れられ、「じゃあ、これかな?」と取り出された用紙はまさに私が提出したもの!
すごい!
用紙はまったく無作為に取り出されたものですから、まったくの偶然です。
まさに三上さんがブログに書かれているとおりミラクルです!
そして、ありがたくも、もったいなくも、三上さんにマジックで大きく3枚と訂正していただき、
めでたくSHIINAさんも次回も参加とあいなったのでした。

■好き勝手な感想
今回も歴代ゲストが集まる賑やかな会でした。
過去の出演者が毎回来たがるその理由は、会そのものがよいからでしょう。
でもその前に、まずはだかさんの個性によるところが大きいのだと思います。
カラフルロスタイムショーは、はだかさんを芯にした会ではありますが、はだかさんの独演会ではありません。
はだかさん=ホストの会です。
だからきちんとゲストを迎え入れる。
その迎え入れ方が見事なのだと思います。
決してご自分が前面に出ることはなく、ご自身のコーナーは先に済まされ、会全体をそれとなくまとめていらっしゃいます。
(目に見えないところで気をつかっていらっしゃるに相違ありません。)
馬場さんが理想とされている「エド・サリヴァン・ショー」のエド・サリヴァンの役割をはだかさん流に果たされているのだと思います。
ゲストには思う存分ステージを務めてもらい、その個性、魅力を最大限に発揮してもらえるよう配慮する。
しかし、ご自身の個性を殺して完全に奥に引っ込んでしまうわけでもない。
はだかさんは、ひいた芸(ご本人曰く、「お客さんとの距離をとる芸」)をなさる方ですが、そのステージは決して薄味ではありません。
だから、人も生かし自分も生きる、というステージの立ち方が自然におできになるのでしょう。
すぐれたバランス感覚だなあと思います。
しかし、これはなまなかなことで身につくものではない。
まねをしようとしてもできるものではない。
はだかさんだからこそ、なのだと思います。
はだかさんは真に大人の芸人さんなのだなあと感じました。

カラフルロスタイムショーはとても魅力的な会です。
会そのものが楽しいのはもちろんですが、会場を満たしている空気がとても心地よいのです。
おそらくこの会に集まったお客さんは、ホストのはだかさんだけを目当てにしているのではないと思うのです。
毎回、ゲストにもとても好意的ですから。
どの出演者のステージも、心から楽しんで見ているのだとわかります。
とてもよいお客さんです。
ステージ上の出演者と客席にいるお客さんが友好関係で結ばれている、そんな暖かさを感じます。
また、客席には一般のお客さんだけでなく、歴代ゲストや、他の会ではだかさんと共演されたアーティストの方もいらしています。
ですから、ステージ上とは別のところで、アーティスト同士の交流や、アーティストとお客さんとの交流もなされているはずです。
もちろん、お客さん同士の交流もあれば、お客さんとスタッフの交流もあるでしょう。
つまり、はだかさんとは直接関わりがないところでも、あちこちで、好ましい交流、親交が結ばれているのだと思うのです。
そのよい空気が会場全体を満たしているから、とても居心地がよいのです。
そして、その空気が会そのものにもよい影響を与え、より立体的で多彩なステージができあがっているのだろうと思います。
これは、馬場さんやはだかさんの意思でどうにかなるものではありません。
ステージの外で自然に発生した好ましい交流、友好関係が、幸せな結果をもたらしたのだと思います。
ステージとは、ライブとは、出演者だけが作るものではないのだなあと、だから面白いのだなあ、としみじみ感じています。

■後日談
会の後、しばらくしてからのMさんと私のメールのやりとりです。

S<カラフルロスタイムのオープニングアクトで歌われた「風を集めて」がラジオ番組のエンディングテーマ曲?に使われていたとおっしゃっていましたが、どなたのどんなタイトルの番組だったか教えていただけませんか?>

Mさん、ニッポン放送のアナウンサーの上柳昌彦さんがやっていた番組としか、思い出せなかったそうです。

S<それだけわかれば十分です。
あの曲にそれぞれ思い入れや思い出があるお客が、高遠さんの歌声を聞きながらそれぞれ楽しんでいた、ということに意味があると思ったのです。>

M<いろんな意味でカラフルは、忘れていた引き出しを開けてくれますよね。
次回も楽しみ>

M<今日初めて聞いたのですが、ラジオの清水宏さんていいですね。
アイドル声優みたいな声してるし、おやじ小学生みたいなカワイっ子キャラだし。
受手役の邦丸さんが上手なんだけど、それにしても見直しました。>

S<清水さん、ラジオのパーソナリティは結構長くやっていらしたみたい。
アニメの声優さんもしているし。>

M<清水さんて経験豊富な人だったんだ。おみそれしました。>

実はMさんは清水さんのことを「コワイ」と言っていたのです。
あの迫力ですからそれもわからぬではありませんが。
でも、これでMさんにも清水さんの魅力が伝わってめでたし、めでたしです。
清水さん、よかったですね。

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