07/6/3.日〜7.木 大阪・天満天神繁盛亭
「桂あやめ落語家25周年★五日のあやめ〜一日三席相勤めます〜」
ひらりん
上方の人気落語家、桂あやめさん25周年記念の会。
入門日を挟んで5日間、素敵なパンフの挨拶によると、1日3席も5日連続も初めて、「ベストアルバム」を作る気持ちで、とありました。
パンフには、高田文夫「桂あやめは凄い」と吉川潮「神秘な人」という文章と、あやめの年譜。
日本髪に背中に蜘蛛の彫り物のあるインパクト大のチラシにも惹かれて、2日間繁昌亭へ。
25枚限定の通し券もすぐ売れたそうで、開演前から行列。
■6/3.日 初日
桂 あやめ 「軽業」
旭堂 南青 『太平記』より「八尾別当顕幸」
桂 あやめ 「コンパ大作戦」
桂 小米朝 「立ち切れ線香」
―― 中入り ――
桂 あやめ 「立ち切れ・小糸編」
前座のあやめです、と登場。
着物もそれらしく。
「軽業」は、2番目に覚えたネタで、見世物小屋を巡って、騙される脳天気な二人組の道中を、前座らしく?明るく。
ゲストは「自分が繁昌亭で観たい人」、打ち上げの楽しみに「日替わりイケメン 5 人衆」と説明。
イケメンは、出演交渉の際に「他に出るのは誰ですか!?」と、物議をかもしたそうだが、南青は、全員納得とのこと。
確かに。声もいい。
「太平記」は、7 月1つき連続講談の会でもかけるそう。(南海、南湖との3人会。)
2 席目 イケメン 5 人衆は、入門の年生まれもいて、話す内容に気ィつかう、という話題から、30 代女性 3 人組が挑む「本気」コンパ。
子がつく名前は30代の証拠、若い男の話がつまらなくても、「で、オチは?」と、凄まないように、など、周到な打ち合わせ。
ゲスト・小米朝、米朝師の話題、京都のお茶屋遊び体験をマクラに。
3 席目は、この続編なので、前に演じてもらわねばならない。
20周年の会では、文枝師匠、今回は、ザ・若旦那に、無理をお願いしたそう。
3席目は、黒地に白の菖蒲柄の麗しい着物姿で。
立ち切れ外伝は、蔵を出て、天満の天神さん参詣の若旦那とはぐれた定吉が、小糸の恋敵と出会うシーンから。
小糸の人柄が、他人から語られて奥行きが出る。
あの世のシーン前で暗転し、白無垢に早替わり。
稽古屋の盲目の師匠の幼馴染に、小糸が聞かせる地唄「雪」は、あやめ自身が唄う。
本編と続きでやる必要があるので、機会が少ないのが残念。
■6/4.月 2日目
笑福亭 瓶成 「いらち俥」
桂 あやめ 「アタック!ナンバ一番」
春風亭 昇太 「愛犬チャッピー」
桂 あやめ 「ちりとてちん」
―― 中入り ――
桂 あやめ 「桜姫花菖蒲文章」 〜歌舞伎「桜姫東文章」より
二日目も大入り満員。
客席案内が、夫婦漫才おしどりのお二人。ちょっと嬉しい。イケメン 5 人衆は逃す。
1席目は、子ども時代の少女漫画の話題から、意地悪な先輩と期待の新人との対立。
懐かしのスポコン少女漫画ギャグ満載。
袴姿での回転レシーブで、ちょっと白鳥落語を思いだす。
ゲスト・昇太
あやめと同期なので、僕も25周年、忘れてました。楽屋口で、三枝師に立ち飲みへ拉致されたことや、天満の商店街散策の不安等は、今後東京でも聞けそう。
ネタは、あやめリクエスト、「名犬」チャッピーと言われたそう。終始、繁昌亭が揺れんばかりの受けっぷり。
あやめの2 席目、姉様キングス公演で昇太宅泊の爆笑エピソードへ。
「ちりとてちん」は、お茶屋の旦那と二人の芸妓の設定。
杵鶴ちゃんは、芸妓さんなのに口悪すぎ。
腐った豆腐は、形崩さず梅干しの花を飾り、書家に箱の表書きを頼むなど、見た目美しく。
3席目は、歌舞伎の「桜姫東文章」を落語化した作品。
歌舞伎って、同性愛、レイプ、濡れ場、殺し、何でもありや、と、驚いた作品だそう。
ドロドロで重い物語を、笑わせ、カラッと。
昇太師は、初繁昌亭だったそうで、客席から驚きの声が。
この日は、繁昌亭初めての挙手がかなり多い。
東京からの特別ゲストといい、特別感があっていいね、と、地元人も大喜び。
他のゲストは、5日=神田山陽、6日=ポカスカジャン、7日=桂雀三郎
終演後、出口でお客さんお見送り。
初日は、写真を、と頼まれると、白無垢で幽霊やから、と、柳の下に移動してポーズするサービスぶり。
東京で、断片的に見てると、似た傾向の新作が多いのかと思っていたけれど、色とりどりの、幅広いセレクションで、古典も印象的。
「ちりとてちん」は、特に新鮮。
入門からのエピソードもたっぷりで楽しく、あやめ株一気に上昇。
ラストの姉様キングスまで全部見たかった・・。東京でも是非っ。
★上方落語協会茶道部=あやめ日記あり
http://page.freett.com/rakucyakai/
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