4月14日 下北沢BigChief「講談大酋長」
めぐりん
つるんとした卵型のお顔にびっくりマナコ。
見た目は「勝気なゆで卵」といった風情の女流講談師、神田阿久鯉さんの会に行って来た。
実はお笑い仲間の「ひ」さんが企画した会。
阿久鯉さんの会の打ち上げに出たときに、高座の彼女と打ち上げの彼女のキャラクターの落差に驚き、打ち上げのときがあまりに面白かったので、「そーゆう感じで、自分の好きなようにできる会をやってみませんか?」と声を掛けたのだそうだ。
それからトントンと話は進み、今回の会と相成る。
会場のBigChiefは通常はニューオリンズ料理のお店。
マスター(阿久鯉さん流にいうと「ご主人」)が最近「和の文化」に面白さを感じはじめたということで、和モノのイベントの第一回目が先日行われたばかり。
(ちなみに常磐津のミニライブ。コンパクトでポイントを押さえた良い会でした。)
20人から30人でいっぱいの店内。
Tシャツが壁じゅうに貼られていたり、カウンターではホットドッグ用のソーセージがグリル機の中でぐるぐるまわってたり、およそ和のムードは皆無だが、そこがミスマッチで楽しい。
ピンクの着物に桜の刺繍の半襟の阿久鯉さん。
第一部は講談についてのレクチャー。
講談はいつごろ、どのように生まれたか。どんな読み方があるのかなどなど。
実演を交えて巧みに読んでみせる姿に感嘆&感心。
また、弟子入りから修行時代についてちょっぴり赤裸々にいろいろと。
稽古するうち咽喉が切れて血が出てそこが固まって、また切れて固まって、また切れて・・・と繰り返しているうちに咽喉にタコができて、切れなくなり、太い声が出るようになった、なんて身震いするようなエピソードも・・・。
第二部は質問コーナーから。
休憩の間に書いてもらった質問に阿久鯉さんが答えるというもの。
この質問コーナー、阿久鯉さんは座らずに立ってつとめた。
休憩中に「座布団に座っちゃうと、講談口調になってしまって堅くなるから、座らないでやったら?」というアドバイスがあったらしい。
なるほどそれが正解で、このコーナーの彼女は「はっちゃけネエチャン」な感じでとっても面白かった。
質問コーナーのあとはいよいよ講談「天明白浪伝(金棒お鉄)」
さすが、の迫力。
質問コーナーでいくらはっちゃけようがぶっちゃけようが、本業の芸の方をビシッと決めてくれれば、その落差にシビレます。
それにしても不思議なのは、男役をやっているようすを落語よりも素直に受け入れられること。
女性の落語って、やっぱりちょっと目を反らしたくなるって言うか、痛々しくて素直に笑えないところがある。
でも講談は、男役をやっていても気にならない。それどころか、カッコイイと感じてしまう。
この違いは何だろう。
落語の場合、自分を貶めて曝して「笑ってやって下さい。」というところがあるが、講談にはそれがなくて客の上から「語ってみせる」という感じだからかな?
こればっかりは不思議だが、ホント、講談は女流でも自然に受け入れられる。
講談を満喫した後、とくに打ち上げというのではないが、お店が通常営業に戻ったので残ってダラダラと歓談。
質問コーナーで「昔は洋楽ばっかり聴いていた。」と言っていたので、「どんなのを聴いていたのですか?」と聴いてみたら、なんとMTV世代。
デュランデュランとか聴いてたそうで、今は「椎名林檎」のファンだとのこと。
ほとんど同世代なのでなんかうれしい。
質問コーナーでも感じたが、いろいろ話を聞けば聞くほど、面白くって元気いっぱいの、まさに現代を生きる女性である。
そんな女性が「講談」という古典芸能の世界で生きてる面白さ。興味深いですね〜。
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