4/30.月 高円寺Club LINER「宮城マリオ・ゲストライブ」
めぐりん
先日、「ガチャピンが世界エアギター選手権の決勝進出!」というニュースがネットを駆け巡った。
ガチャピンの影に隠れてしまって話題にならなかったのだが、このときに優勝したのが宮城マリオ氏。
このたび、はからずも彼を生で観る機会がありましたので報告します。
妹の元部下が脱サラして始めたライブハウスが高円寺にあり、そこで妹の結婚式の二次会が行われ、ゲストとして呼ばれたのが彼だったのでした。
(ライブハウスオーナーの知り合いだったらしい。)
30人も入ればぎっしりの狭い地下の空間。
低い天井はダクトが這い回り、ステージ前には客のなだれ込み防止の柵のようなものがあるという、絵に描いたようなロック系ライブハウスである。
そこに現れた宮城マリオ。
野球帽みたいなキャップに口ひげ。
たぶん「マリオ」の名は「スーパーマリオ」からなのだろう。
さらにちょっとRats&Starの桑マン似。
「Rock」の文字が描かれた白いランニングにジーンズ。
ウェーブのかかったロングヘアがハードロックテイスト。
背は高いがややメタボな体躯からてっきり40代くらいだろうと思っていたら、なんとマリオ氏、1976年生まれ。
よもや私の10歳近く年下とは・・・。
ベンチャーズの「パイプライン」で始まり、BCRの「サタデーナイト」で〆める15分ほどのステージ。
エアギターというのは早い話がロックの曲にあわせてギターの当て振りである。
演芸好きにはどうしても寒空はだかさんの「真空ギター」が思い浮かぶが、彼のように小器用にコネタを挟んだりしてお客を笑わせるようなところはない。
ギターの当て振りにも緻密さはなくて、どちらかというとぞんざい。
腕をぐるぐる振り回したり、開脚ジャンプしたり、リアルさよりも派手さを追求。
顔で演奏しているのか?と思うくらい表情豊か。
そして、体力の限界まで激しく動き回り、客席をあおる。
ああ、そういうものなのだ。これは演芸ではなく、ライブなのです。
この冗談に敢えて、みんなでノって楽しむ。あたかも本当のライブであるかのように。
「王様は裸だ!」なんていわずに、一緒に裸になって楽しむモンなのだ。
「あなた演る人、私観る人」っていう意識では楽しめない。
みんなでこのシャレに参加するのです。
エアギター、ってヤツも最初はだれかのシャレだったんだろう。
そこにまたシャレでルールを作るヤツがでてきて、シャレで競っているうち、世界大会まで行われるようになったのだろう。
そんなシャレに全力投球して、汗だくのヘロヘロになるマリオ氏。
それに喝采を送り、ノリまくるお客がいる。
「芸」と呼ぶにはちょっと精度の低いものだけれど、なんかイイもんを見たなーって思った私でした。
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