●2017/7/14.金 南青山MANDALA「永さん☆夢で逢いましょう」
岡高町弥
昨年、7月7日に亡くなった永六輔の追悼ライブがあるとクミコのラジオで知って駆けつける。
クミコ が歌って、オオタスセリ がコントで笑わせ、中村 まり子 が一人芝居で見せる。永六輔が遺した作品を中心に、とりわけ厳しく仕込まれた弟子3人によるライブだ。
共通点は今はなき渋谷ジァン・ジァン。私にとって永さんは、マンスリーの長年の読者。常に返事をくださる有り難い読者だった。
オープニング、永六輔の巨大なパネルをバックに永六輔がいかに怖かったかを懐かしく話す。時間に厳しかった永六輔を恐れもせずに遅刻を繰り返したクミコの武勇伝のおかしいことと言ったらない。そのクミコが「帰ろかな」を歌った瞬間、マンダラの空気が一変した。十数年前マンダラで聞いたクミコとは全然違う。大劇場を満員にするクミコの歌は圧倒的。坂本九の「友だち」も見事だった。
オオタスセリは永六輔が絶賛したラジオ体操をやりながらぼやきまくる「お局体操」とラジオで自粛にいたった強烈な「ストーカーと呼ばないで」を披露。オオタスセリの切れ味も抜群。
中村まり子は電話で女の一生を描いた「もしもし母さん」を情感を抑えたリアルな芝居で見るものの心をつかむ。永六輔が見ていたら、どんなダメ出しをしたのだろうか。
あの歌もこの歌も聞きたいという思いも残るが、観客全員参加の「上を向いて歩こう」と三人の「夢であいましょう」で幕となる。忘れ難い二時間であった。
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