●2017/5/26.金 なかのZERO小ホール
「神田松之丞独演会"松之丞ひとり〜夢成金其の六"」
岡町高弥
今宵はまた松之丞が圧倒的な腕力で観客を「天保水滸伝の世界」に誘ってくれた。
昭和七年の銚子の道路拡張工事まで史実とは信じられていなかった物語とまずはその世界を解説。
幕末の侠客笹川繁蔵と飯岡助五郎の一大抗争。
いわゆる仁義なき戦い「天保水滸伝」と名付けられた叙事詩を一気に読みきった。
笹川繁蔵が相撲取りからやくざになるまでを描いた「相撲の啖呵」、千葉道場きっての天才剣客だった平手造酒の悲劇的な生涯を聞かせる「平手の破門〜鹿島の棒祭り」と「平手造酒」、笹川繁蔵の最期と顛末を存分に語った「三浦屋孫次郎の義侠」。
いずれも松之丞の口から役者たちが勝手に動き出す立体感。時を忘れて身を委ねるだけでいい。
活劇の楽しさ哀しさ心地よさ講談で知る。
松之丞は本当に癖になる。
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