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南青山MANDALA「永さん☆夢で逢いましょう」
岡町高弥
三越劇場「粋曲〜江戸のラブソング〜柳家小菊」
岡町高弥
下北沢ザ・スズナリ「燐光群/湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)/作・深津篤史、演出・坂手洋二」
岡町高弥
下北沢シアター711「怪人21面相/演出・和田憲明、脚本・野木萌葱」
岡町高弥
東京芸術劇場アターウエスト「イキウメ「天の敵」/作・演出:前川知大」
岡町高弥
なかのZERO小ホール「神田松之丞独演会"松之丞ひとり〜夢成金其の六"」」
岡町高弥
日吉ワンダーウォール「さこ大介バンドライブ」
岡町高弥
渋谷オーチャードホール「「坂東玉三郎×鼓童特別公演/幽玄」
岡町高弥
新宿サンモールスタジオ「劇団チョコレートケーキ第28回公演/60’sエレジー」(脚本:古川健、演出:日澤雄介)
岡町高弥
立川シネマシティ「立川シネマシティ寄席第二回ことたまライブ公演」
岡町高弥
富山「てるてる亭5月公演」
山崎孝之
渋谷区文化総合センター大和田伝承ホール「山崎ハコカ・ン・レ・キ・バースディライブ!」
岡町高弥
角川シネマ新宿「わたしはダニエル・ブレイク」
岡町高弥
赤坂ACTシアター「恒例志の輔らくご第一部大忠臣蔵〜仮名手本忠臣蔵のすべて〜第二部落語中村仲蔵」
岡町高弥
しもきた空間リバティ「渦39/浴渦」
岡町高弥
紀尾井小ホール「柳家小満んを扇辰・喬太郎がふたり占め」
岡町高弥
2017/4/20.木花園神社「水族館劇場/この丗のような夢(作・演出、桃山邑)」
岡町高弥
シアタートラム「エジソン最後の発明」
岡町高弥
中野サンプラザ「清水ミチコ30th AnniversaryひとりのビッグショーReturns」
岡町高弥
紀伊國屋ホール「都民劇場創立70周年記念とみん特選小劇場★第51回「神田松之丞独演会」
岡町高弥
東京芸術劇場「不信−彼女が嘘をつく理由Neighbors/作・演出、三谷幸喜」
岡町高弥
東村山「国立ハンセン病資料館」
岡町高弥
日本橋社会教育会館「大江戸悪人物語」
岡町高弥
浜離宮ホール「Premium meets Premium 2017」
岡町高弥
お江戸日本橋亭
「円ジ〜ィ・彦いち 二人会」17時45分開演

くろべえ
富山県「てるてる亭」
岡町高弥
「劇団民藝/野の花ものがたり 徳永進『野の花通信』より/作・ふたくちつよし、演出・中島裕一郎」
岡町高弥
吉祥寺シアター「小池博史ブリッジプロジェクト/世界会議」
岡町高弥
横浜市泉区民文化センターテアトルフォンテ「パントマイムシルヴプレ第9と1/2回公演夕暮れてカタツムリ」
岡町高弥
お江戸日本橋亭「第一回可朝のハナシ」
岡町高弥
末廣亭「ロケット団定例集会その82」
岡町高弥

バックナンバー

笑いのかけら
情けのかけら

●2017/5/18.木 新宿サンモールスタジオ「劇団チョコレートケーキ第28回公演/60’sエレジー」(脚本:古川健、演出:日澤雄介)

 

岡町高弥

旬の劇団だけにチケットも完売のようだ。舞台はとあるアパート、自死を選んだ72歳の飯田修三(足立英、年老いた声は高橋長英)の遺書を発見した警察官が読み解く形で修三の生涯を振り返る。この導入部が秀逸で一瞬にして昭和35年の東京下町小林蚊帳工場に変わる。
修三は会津から集団就職で中学を出て小林明蚊帳店に勤める。小林蚊帳店は三代続いた蚊帳工場で社長の清(西尾友樹)は底抜けに人がよく修三を我が子のように可愛がる。その妻の悦子(佐藤みゆき)は空襲で負った足の傷にもめげず一家を支える。
店には弟の勉(岡本篤)、ベテラン蚊帳職人(林竜三)、幼馴染みの紙芝居屋、実(日比野線)取引先の寝具店社員松尾(浅井伸治)がいつも現れて賑やかだ。
60年代、まだ蚊帳が求められた時代、のどかな世の中だ。戦争が終わって15年後。暇さえあれば教科書を読んでいる修三を不憫に思った子供のいない主人夫婦は彼を定時制の高校に入学させる。
しかし、時代は東京オリンピックを迎え、折からの高度成長期で蚊帳は消えて生活スタイルは一変する。店は一人減り二人減り、修三は夜間大学に入学するも工場は閉鎖を余儀なくされる。店が傾きながらも修三を支える清。困っている隣人がいればほってはおかない無数のダニエル・ブレイクがいた時代。
弟の勉は土建屋に紙芝居屋は不動産屋に、職人は奈良に、そして清夫婦も妻の実家の宇都宮の牛乳屋に職を変えていく。大学に入って学生運動に身を投じ活動家になった修三は東京にとどまることに。
この芝居は、修三が人生で一番幸せだった小林蚊帳店の十年間を回想した芝居だ。日本人に「人情のようなもの」があった時を懐かしむが、それほど甘くはない。
修三は今は取り壊し寸前のアパートに変わってしまった昔の小林蚊帳店の場所で死を選ぶ。
3年後に東京オリンピックを迎える世界はおそらく、生きるに値しないと思ったのかもしれない。
高橋長英の抑制の利いた語りが芝居全体を静かに盛り上げる。声高にノスタルジーや昭和を懐かしむわけではないが、失われたものへの執着が静かな抗議になる。
間違いなく劇団チョコレートケーキの代表作になる芝居だ。
余談だが、数多のつまらない芝居が一万円近く取るなかで、この芝居は3500円、安すぎるといっておきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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