●2017/1/14.土 お江戸日本橋亭「円ジ〜ィ・彦いち 二人会」17時45分開演
くろべえ
昨年12月に終わった「にゅ」に続いて円丈師匠が手掛ける会の第一回。
「愛を詰め替えて」三遊亭あおもり
突然の開演前の出番指名で、新しい噺を何も用意していないので最近よくやってる噺をと。
個人的にいま一番見たい前座さんなのでラッキー。
噺は何度か聞いているがやっぱり面白い。
仕草がめっちゃ笑える(笑)。
あとに高座に上がった彦いちさんもマネしてた(笑)。
「前説」三遊亭たん丈
数年前に師匠に怒られ封印していたというなまはげ小噺を披露。
「匂恋慕情」三遊亭ふう丈
円丈師匠が1月11日からツイッターを始めたと。
まだ2ツイートで、1ツイート目、頭が痛い、2ツイート目、頭が痛い(笑)。
好きな匂いを3番目から列挙して噺へ。
3番:ホームセンターの匂い
2番:厩舎の匂い(出身地熊本は馬が多い)
1番:小学校の同級生のナントカ君の匂い(笑)
噺は主人公の身に思わぬことが次々降りかかる王道のドタバタコメディ。
ビリー・ワイルダーの映画みたい。
ふう丈さんはこういうのが上手くて面白い。
噺に登場した理科の先生が小ゑん師匠のオタクキャラみたいだ(笑)。
「じじ太郎」三遊亭たん丈
また、なまはげ小噺を2つ。
そして、白鳥師匠作の「老人前座じじ太郎」。
「神々の唄」林家彦いち
森には様々な生き物がいて生態系が成り立っている、
と彦いちさんらしい言葉でたん丈さんを擁護したかと思ったら、
「寄席でたん丈の後はやりにくいんですよ!(笑)」と。
そして「今日はドキュメントです!」と、前説のなまはげ小噺で円丈師匠に怒られていたことを報告。
「だから今もきっと怒られてます(笑)」。
ドキュメントがらみで、名古屋のみどりの窓口で嘘をついたために困る羽目になった話をマクラに本編へ。
去年聞いて面白くてまた聞きたいと思ってた演目なので嬉しい。
風吹き抜ける情景が目に浮かぶ。
サゲが好き。
「対談」三遊亭円丈、林家彦いち
彦いちさんがトークをリードする形で円丈師匠を質問攻め。
トランプについてどう思うか、とか。
好きです! と彦いちさんが円丈師匠に思いを伝える場面も(笑)。
円丈師匠からは昨年相次いで他界した愛犬、三代目ロッキー、ミッキーの思い出話も。
仲入り
「横松和平」三遊亭円丈
漫才コンビはなぜ仲が悪いのか? と疑問を呈し、てんやわんやさんが好きだったが、あの人たちも仲が悪くなっていった。
一方、夫婦漫才は仲がよく、やはり好きだった三球・照代さんは特に仲が良かった、というマクラから落ち目の夫婦漫才の噺へ。
横松和平ならぬ立松和平が出ていたらしい番組「ニュースステーション」を見てなかったのでよくわからなかったけど、音楽が雰囲気を盛り上げて可笑しい(笑)。
納豆巻きに泣いた。
納豆巻きを食べて客を泣かせるなんて、円丈師匠にしかできない。
「掛け声指南」林家彦いち
円丈師匠の噺を受け、この噺の後もやりにくい、と(笑)。
自分(彦いちさん)が真打になった頃はよく聞いた噺で、登場する横松和平が呼びかける相手が久米宏さんという設定だったので、現在週に一回ラジオ番組で顔を合わせる久米さんから、噂に聞く「横松和平」を聴いてみたいから今度やるときには教えて、と頼まれていたが、前もって教えようにも、今日だって突然だったし、自分にしても10年ぶりくらいに聴いたわけで、しかも円丈師匠はもうやらないかも、と彦いちさん。
時間がなくてと言って、ときどき時計を気にする様子。
しかし彦いちさんは時間短縮が上手い。
7月の鈴本企画『落語の仮面祭り』で白鳥師匠のトリネタ「嵐の初天神」に合わせて急遽頼まれて演じたという「初天神」しかり、9月の小ゑん師匠との『どんぶらこっこ』で閉館時間になると容赦なくアナウンスが舞台にも流れるという中演じた「不動坊」しかり。
省略もするが、ポイント部分は逆に膨らませてそれが大爆笑になる。
ストーリーもきちんとわかるし、彦いちさんらしいハイテクニック。
11月の『彦いちラボ』では「愛宕山」のあらすじを70秒で説明してたっけ(笑)。
「掛け声指南」は長い噺ではないのでちょうどいい選択。
ガンバレ! ガンバレ!(笑)
円丈師匠と小ゑん師匠が二人揃う新作の会がなくなったのは寂しいけれど、
新作の神様とフットワークが軽くて意欲的な彦いちさんの二人を聞ける新たな会、一回目は満足。
今後も楽しみ。
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