26〜50 | 51〜75 |
10/31上野鈴本余一会「小三冶独演会(年2回)」
10/27池袋演芸場 
「三遊亭円丈<還暦マイナス1才>独演会」
公益法人勤務古参OL「じむ福」さん発行
フリーペーパー『隅の演芸』11月号より
10/14 東京芸術劇場小ホール2
 「立川流20周年記念 立川流真打の会 
 家元に捧げる三夜 初日」

10/16 東京芸術劇場小ホール2
「立川流20周年記念 立川流真打の会 
  家元に捧げる三夜 千秋楽」

10/21京王プラザホテル「立川談志独演会」
10/22平成中村座
「弁天娘女男白浪・本朝廿四孝奥庭狐火の場・人情噺文七元結」
10/21〜26 日本橋三越7階ギャラリー
エリオット・アーウィット写真展
10/27芸術劇場小ホール「新・竹丸塾の会」
10/23 新宿紀伊国屋ホール 
風間杜夫 一人芝居(3部作)
10/11 紀伊国屋サザンシアター
「我らの高田”笑学校”しょの二十」
10/11 紀伊国屋サザンシアター
「我らの高田”笑学校”しょの二十」
9/29内幸町ホール
「すわ親治ひとりコメディ3」
10/9 平成中村座「加賀見山再岩藤」 
9/29/300内幸町ホール
「すわ親治ひとりコメディ3」
10/7 横浜関内ホール 
鳥肌実時局講演会「ニイタカヤマノボレ」
9/30なかの芸能小劇場
「白鳥・山陽のポップスの花道」
10/8下北沢OFFOFFシアター
「半生(はんなま)な女達」
10/4三鷹公会堂「談志、再び登場」
10/4演芸仲間で見る「平成中村座」
9/26築地ブディストホール「立川談春独演会」
内幸町ホール「すわ親治ひとりコメディ3」
 ザ・スズナリ「Show The BLACK」
  大川興業本公演 初日
5/3名人伝説・談志「替わり目」
内幸町ホール「すわ親治ひとりコメディ3」
9月下席鈴本演芸場「菊之丞真打昇進披露」
9/26浅草5656会館「名人伝説」
9/3国立演芸場「円生物語」
8月大阪「彦八まつり」
9/18イイノホール「にっかん飛切落語会」
 9/19「毛谷村」はジェットコースタ
 9/13新宿末広亭「深夜寄席」
 9/14品川プリンスシアター「踊る大捜査線2」
 9/9 東西研鑽会
 9/ イッセー尾形
 9/2 チャーリーエンジェルフルスロットル
 9/3国立演芸場「円生物語」
9/9東西研鑽会

| 1〜25 | 26〜50 | 51~75 | 76~100 | 101〜125 | 126〜150 | 150〜200 | 201〜225 | 226~250 | 251〜275 | 276〜300 | 301~325 | 326〜350 | 351〜375 | 376~400 | 400~425|

 




 


2003年9月26日築地ブディストホール「立川談春独演会」     
密偵おまさ

普段に増して、濃密だった9月の立川談春独演会。
ほぼ時を同じくして、浅草では超がつくほど豪華な「浅草名人伝説」が開催され、
他にも、立川流の落語会がいくつかあったりしたせいか、
普段よりも空席が多かったように見えた。
談春さんの独演会は、聞きに行くたびに、場の空気が濃密なような気がするのだけれど、
今回は、いつもに増して開演前から濃い空気が漂っていた。
(とはいえ、落語を聴き始めて半年かそこらなので、他の噺家さんの独演会に行ったことはないから、
当てにはなりませんが)
時間になって「鞍馬」とともに、ちょっと足をかばった歩き方で、談春さんが登場。
月初めの、談志師匠との親子会でくじいてしまった経緯が、マクラでたっぷりと。
その合間に、今日は何をやろうかと演目を客席に相談?して決めるというのは、
談春さんなりのサービスだろうか?
最初が9月の演し物として予告されていた『宿屋の仇討』。
普段、独演会の演目がわかっていても予習をしたことはないのだけれど、
どういう風の吹き回しか「速記本を読んでみよう」などという殊勝な心もちになり、
読んでしまって大後悔したのが『宿屋の仇討』。
クライマックスに向かってサスペンスを効かせた噺だからこそ
「どうなってしまうのか?というワクワクドキドキ感を、談春さんの噺で味わいたかった!」
と思ったけれど、後の祭り。
それでも、一回読んだストーリーを忘れようと努力してみた。
でも「案ずるより生むが易し」ということわざ通り、見事に「ワクワクドキドキ」しながら聞くことができた。
これは、忘れようと努力した甲斐があったというよりも、談春さんの噺に引き込む力が強かったからというべきだろう。
途中、伊八が廊下を歩く足音をたてるところが、普段ならなんでもなくできるのだろうけれど、
足をくじいてしまったせいで、痛そうだなと思っていたら「イテテ」という合いの手が入ったのは、ご愛嬌だ。
そして2席目が8月にやるはずで、持ち越しになっていた『化け物使い』。
人使いが荒いことで有名なご隠居が、奉公人の権兵衛にも逃げられて、化け物屋敷に一人住まいになってしまうが、
化け物も悲鳴をあげるほど、こき使ってしまう。
このご隠居は、普通にやると単なる“クソ爺”になってしまいそうなのだけれど、
談春さんのご隠居には、憎めない愛嬌があって、出てきた化け物に合わせて仕事を振っていくところが、妙にかわいい。
いつもだと、2席終わったところでで仲入り。
ところが袖のお弟子さんに向かって時間を確認したら、9時近いということで、そのまま3席目の「文違い」に突入することに。
足をくじいちゃったという、親子会の最後がやはり『文違い』。
談志師匠が舞台の袖で最後まで、ずっと聞いていらしたという。
前にも他の噺家さんで聞いたことがあったけれど、この親子会で聞いて、大好きな噺になったのだった。
向こうっ気が強くて、ポンポンと小気味いいテンポで田舎者の角造から、
まんまと15両という大金をせしめたかと思うと、
お金を出し渋る間夫の半ちゃんから足らない5両も巻き上げて、
地色の芳っさんにその20両をそっくり貢いでしまうお杉。
苦界で生き抜いてきた女のしたたかさと、好きな男が「すぐに医者へ行く」と帰ろうとする時に拗ねてみせる浅はかさ、
騙されたのは自分だとわかった時の不機嫌な感じ、
なんだか女という生き物をすっかり見透かされているようで、怖くなる。
一方、お杉にまんまと騙された田舎者丸出しの角造、
いかにも人の良さそうな半ちゃん、
そしてお杉を騙して20両せしめた芳っさんの苦みばしった色男振りが、くっきりと眼に浮かんでくる。
結局、2時間20分あまりをただ一人、高座でしゃべり続けた談春さん。
それを客席にすわり続け、聞き、笑い、手を叩いたお客。
いつもに増して濃密な空間に身をおくことができて、満足、満足な一夜だった。

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