●08/11/4.火 下北沢 本多劇場
春風亭昇太プロデュース「あの頃の噺」
〜市馬・昇太・談春 前座噺の会〜
くろべえ
19時開演
なんとも、ゆる〜い会だった。
まず、私服の昇太師が登場して、マクラも工夫もない前座という「原石」だった頃の噺を当時のままにやる、と会の趣旨を説明。
談春「真田小僧」
市馬「手紙無筆」
昇太「雑俳」
トーク
<仲入り>
昇太「狸札」
談春「垂乳根」
市馬「道具屋」
トーク
トップでとことこと高座に上がってお辞儀をした談春師、顔を上げたとたん、
「お笑いを一席申し上げます」
客席ドッ。
続けて一本調子に云々かんぬん。
「楽屋が笑うなっ!」と、舞台下手を一喝。
客席ドッ。
二席目の「垂乳根」は前座時代に一回きりやっただけだそう。
市馬師は朗々と。やっぱり前座時代からあんなにお素敵なお声だったのかしら?(笑)
一番可笑しかったのは昇太師。
マクラもなにもなくいきなり、
「雑俳」…「お笑いを申し上げます」
「狸札」…「昔から狐と狸は人を化かすと申しますが…」
まるで自動喋くり人形のようにひたすら元気いっぱいに喋る、だけ。
「雑俳」ではいつものアクションもなく、ずっと手を膝に置いたまま。
早口でしかもいつにもまして滑舌悪くまくしたてるので何を言ってるのかさっぱり。
スピードも当時のままだそうで、これじゃあ…(笑)
二席目は初めて覚えたという「狸札」。
小柳枝師匠からの伝授だそう。
三人とも前座の設定だから、座布団返しもめくり返しも自分たち。
次の演者の名前を間違えてめくった談春師、戻ってきてめくり直してぺこり。
客席ドッ。
座布団を返すときにいちいち首をひねっていたのも可笑しくて、何が気になったんだろ?
一席づつ終えたあとのトークでは当時の写真を写しながら、あーでもないこーでもない。
○写真その壱
談春師、二つ目なりたての頃。
入門するときにそれまでの写真を全部燃やしてしまったので昔の写真がないそう。
貴重な一枚。
かわいい〜!
舞台:大和田伸也そっくり!
それが今じゃこんなだよ!
○写真その弐
昇太、談春、志らく
舞台:ヨタローの時かな〜、(昇太師の)刈上げヘアに時代を感じるね。
○写真その参
昇太(21才)、柳昇(67才?)
昇太師満面の笑み。初めて師匠と写真とってもらって嬉しかったのだそう。
舞台:場所はどこ?
えーと、たしか銀座の…キリンビール!?
銀座だったらライオンだろっ!
○写真その四
昇太(23才)
前座最後の日。芸協の夏の寄り合いで両手に一本ずつビール持って最後のお勤め。
舞台:こりゃ法事の子どもにしか見えないね、9つの。
○写真その五
市馬(20才くらい)。高座姿。
舞台:老けた20才だねー、さっきの神隠しにあった子(昇太師のこと)とは大違いだよ!
今と変わらないじゃん。この手がさあ〜。
○写真その六
市馬(20才くらい)、小三治(40才くらい)。旅先にて。市馬師が隣の今話題の小三治師匠を見下ろす形。
舞台:どっちが偉いんだよ!
小三治師匠の方が若く見えるね。
「POPEYE」のトレーナー(市馬師着用)が時代を感じさせるね〜。
二席目が終わって最後もトークが止まらない。
昇太師は私服で。
昇太:あれ、二人とも着物? 俺、プロデューサーだからさ、いろいろあるのよ。
談春:昔教わったことが蘇ってきて高座で喋ってても気もそぞろだったね。
この他にも前座時代のエピソードはもちろん、弟子の愚痴からなにから珍トーク続出。
トークの呼吸も三人三様でグダグタ〜っと…(笑)。
市馬・昇太・談春の会なんて、面白いもの見せてもらおうじゃないの!
と意気込んでいたら見事肩透かしを食らわされた感じの、ゆるゆる、のほほ〜んとした会。
客席より舞台の方がきゃあきゃあ楽しんでた、みたい。
久しぶりにぴあ、じゃなくて、プア、じゃなくて、ピュアな気持ちになれたいい会だったね、と最後まで噛みまくりだった(笑)昇太プロデューサー、ナイスな企画ありがとう&お疲れさまでした。
発売日に旅行中でチケット取れず、会社を早退して当日券で並んだ甲斐があった。
今回は告知期間があまりに短かすぎてかなりなクレームだったようで、同じ内容でまたやるそう。
もちろん、また行きます!!
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