●2016/10/28.金 よみうり大手町ホール「春風亭一之輔三夜」
岡町高弥
年間850回の落語会、来年までスケジュールが一杯の落語界の鉄人、春風亭一之輔三夜、第二夜に行く。去年は二夜、今年は三夜で来年は四夜、毎年一日ずつ増えていく。
見ておかねばならない会だろう。来年真打ちの柳家ろべえが「やかんなめ」で場内をわかし、一之輔登場。ろべえが高座を中座してトイレに行った豪快エピソードを語り、十八番の「かぼちゃや」、「あくび指南」へとなだれこむ。
「独演会で三席やらないと落ち着かない」という一之輔、さすがのサービス精神。
仲入り後、今一番勢いのある漫才師ロケット団が最高の漫才を見せるが、お客さんがついてこれない。残念だ。最後はほぼ初演の「睨み返し」をさらりとやってのける。
この器用さと、確実に観客の気持ちをつかむ緩急自在の語りはさすがというしかない。
ろべえの時から気になっていたが、観客の反応がやや弱い。
お客さんがやや疲れていたのかホールのせいか、もっともっと盛り上がっていい出来映えだった。
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