●2016/10/14.金 かめありリリオホール「上方落語 初! 桂文枝・三四郎 親子会」
くろべえ
上方では知らないが、東京で文枝師匠が親子会をするのは初めてとのこと。
「狸賽」桂三語
文枝師匠の、20人いるなか17番目のお弟子さん。
亀有の交番で両さん居る? と尋ねると留守だと言われる、という話を確かめようと交番に行ったら、アホ!、と言われたと。
アホって関東人はあんまり言わない(笑)。
「阿弥陀池」桂三四郎
ダメ弟子だったという修行時代の話や、文枝師匠がポケモンゴーのダウンロード開始翌日、歩きスマホしながら舞台に上がった話を引き合いに、世間の出来事に敏感でなければという話から噺へ。
何度か聞いているが、オリジナルギャグも鮮やかで今までで一番面白かった。
「寝床」桂文枝
イケメンが入門したらつけようと考えていた名前が三四郎で、名付けてから後悔したと(笑)。
高校時代アマレスをやっていたから体力はあるだろうからいざとなったら役に立つ、と連れて行った富士登山で三四郎さんがへたった話などしながら、言葉とは裏腹にエールが感じられた。
芸を磨くには習い事が必要と言いながら1年でやめたという浄瑠璃を披露。
その時点ですでに噺に引き込まれていて、年齢的に師匠に近いこともあるだろう、奉公人を多数抱える大家の主人の風格がそこに。
決して上手くはないことを自覚する主人の浄瑠璃への強い思いも伝わってきて大きな存在感。
その熱意と長屋や奉公人の本音とのギャップが改めてよく分かった。
こんなに浄瑠璃への愛を感じた「寝床」は初めて。
番頭さんの説得の仕方も巧みで旦さんとの駆け引きが笑いに流れるだけでなくとても良かった。
もちろん笑いも随所にあってすごく面白かった。
久七が報告する長屋の連中の言い訳が簡単なのは上方風?
文枝師匠は新作のイメージしかなかったから古典は意外。
いい「寝床」を見せて貰った。
あとで三四郎さんも文枝師匠の古典は自分も久しぶり、東京では20年ぶりくらいと言っていたので貴重な高座。
新作の面白い噺家さんはやっぱり古典も面白い。
休憩
「過去のないワイン」桂三四郎
家族や親戚のエピソード(お母さん、妹さん、お父さん、お祖父さんのお葬式)といった自分の人間関係のマクラを突然方向転換して噺に。
有名なワインが次々出てきて笑える。
三四郎さんには珍しいタイプの噺だがサゲも良く、よくできていて楽しい好きな一席。
ファンタってまだあるんだ(笑)。
「宿題」桂文枝
よしもと浅草花月(昨年閉館)での桂三四郎十周年記念独演会にゲストで出た時もこの噺だった。
前回とは、そして前三高座とは桁違いに面白かった!!
子供の宿題に四苦八苦する親の噺。
こちらも頭がこんがらがって鶴亀算で大爆笑!
隣が空席だったので文字通り笑い転げた(笑)。
文枝師匠は圧倒的な面白さ。
弟子にも容赦ない。
そういう師匠が大好きで必死について行く三四郎さんの健気。
高品質な親子会だった。
終演後、ワインの噺面白かったねと口にするお客さんのグループが複数いてにんまり。
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