●2016/10/15.土 日本橋社会教育会館八階ホール
「平成28年度(第71回)文化庁芸者祭参加公演/桂三四郎独演会 3回目」
くろべえ
オフィスマツバ主催の第3回目で、月1回開催の遊京さんの勉強会と重なって直前まで悩んだが、前日の親子会の裏話が聞けるかも、と下心満載で三四郎さんを選択。
今回のテーマは「父子の情」。
「つる」笑福亭茶光(さこう)
鶴光師匠のお弟子さん。
名前をメールで貰ったと。
「父の本音」(桂三四郎作)桂三四郎
自分には父親が二人いる、芸の父と実の父、と。
前日の親子会の様子を(今回のテーマは前日の会に掛けてか)。
文枝師匠は4時に楽屋入りする程の気合だったとか、師匠の噺と被ってはいけないので師匠付きのお弟子さんに毎日メールで予想を聞きいろいろな噺を稽古したが全部新作だと思っていたら当日楽屋で一席は古典をするように言われたとか、翌日朝一でお礼の電話をしたら留守電で、お礼メッセージを残したのに師匠からお礼がないと怒られ、LINEでするようにと指示され送るとスタンプでグーの返信があったとか、裏話たっぷりで下心は充分満たされた(笑)。
転勤族のお父さんの話も可笑しかった。
厳しいお父さんだったらしいがちょっとピンぼけな人柄の中に深い愛情を感じた。
そんな話をマクラにある父子の噺。
お父さんの意外な一面とは…?
映像を見せる演出があり、展開だけで十分面白いからなくてもいいのではと思ったが視覚に訴えた方が確かに分かり易いかも。
「ねずみ」桂三四郎
最近、海外公演も多く、米国でのテロリスト対策のおバカなアンケートや手荷物検査での話など旅にまつわる面白エピソードから噺に。
噺の舞台は東京では仙台だが上方では岡山らしい。
宿の主人の打ち明け話についホロリ。
聞き入る客席もシーン。
息子の卯之吉がとても健気で可愛らしい。
「竹の水仙」もそうだが三四郎さんの左甚五郎には品がある。
着物が粗末だったり旅で汚れているように見えないのが難?(笑)
しかし連想することは誰しも同じようで…。久々に白鳥師匠のハデハデ「萩の月の由来」を聞きたくなった(笑)。
仲入り
「残りの時間」(桂三枝作)桂三四郎
大阪の女医と東京の女医に同じ質問をしてその反応の違い(おばちゃんな大阪、粋な東京(笑))など医者の話をマクラに。
涙ボロボロ。
展開は全く違うが設定が円丈師匠の「インドの落日」を連想させる。
湿っぽくなりがちな物語、しんみりしながらも、がっちり笑わせてくれるのは上方流。
そしてサゲはじんわり。
クライマックスでは「はめ物」も入り、それも上方らしく、却って胸に迫る。
さすが文枝師匠の作品。
演じきった三四郎さんもすごい。
どれも以前一度ずつ聞いたことがあるが遥かに面白くなっていた。
最後の一席は感動的ですらあった。
5月に1回目、8月に2回目があったが、3回目の今回が一番良かった。
前日の親子会の余韻が残っていたのか、それとも逆にプレッシャーから解放されての
びのび出来たのか(笑)。
前日に続き、目に焼き付くハイレベルな高座だった。
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