●2015/6/23.火 新宿花園神社「新宿梁山泊/二都物語」
岡町高弥
いつ以来だろうか、花園神社で新宿梁山泊の芝居を見るのは。
唐十郎の稀代の名作「二都物語」の再演をやると知ってどうしても見たくなった。
ノスタルジーと笑わば笑え。6月23日、蒸し暑いテントの中に身を沈めた。
ソウルと東京、満州と現在、二つの記憶、二つの時代を縦横無尽に駆け巡る芝居は健在だった。
唐十郎が演じた幻の兄さん役を息子大鶴義丹が継承し、痰壷を抱える名花リーランを水嶋カンナが堂々と演じきった。
水しぶきの中を疾走する回転木馬、穢れた者が聖なる者に反転するダイナミズム。
アングラのエッセンスがすべて詰まっている。
アングラも43年を経て立派な古典になった。
劇中歌だけはオリジナルでやってほしかった。
それにしても義丹は眩しい。義丹を見るだけでも一見の価値はある。
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