●2015/3/20.金 下北沢ザ・スズナリ
「劇団燐光群/現代能楽集クイズ・ショウ(作・演出、坂手洋二)」
岡町高弥
「いい質問ができたら答えはいらない」といったのは小林秀雄だ。
「私は偉大な質問になりたい」といったのは寺山修司。
ことほど左様に、「質問」とはラディカルな批評なのだ。
3月20日、下北沢ザ・スズナリで見た劇団燐光群、最新作「現代能楽集クイズ・ショウ」(作・演出、坂手洋二)は全編をクイズ形式に仕立てた野心作だった。
出演者はみな、クイズの解答者。
クイズの問題に答え続けることが、命をつなぐ行為。
おびただしい問題が出題される。
2時間半、考えさせられる。
簡単な問題から、神羅万象、ゴシップ、あるいは国家の政策など、こんな質問があったのかと驚かざるを得ない。
外務省のホームページに驚くような事実が。
質問を出されてしまうと情景反射的に答えを考え観客も前のめりで参加者になってしまう。
クイズとは日本人の身体の芯までしみ込んだ国民ショウなのだ。
問答で「日本をあぶりだす」。
全員参加のラストに向かう「クイズ・ショウ」は圧巻だった。
思わず、芝居であることを忘れてしまい、目の前の役者が本気で間違えているのかと思ってしまう。
クイズの様式を借りた坂手洋二の批評行為。着眼点が絶妙だ。
最後の最後までスリリングだったと言っておこう。
|