●2015/2/22.日 日本橋三井ホール
「我らの時代、落語アルデンテ10回記念/日本橋アルデンテ夜の部/鰹アルデンテ」
岡町高弥
東京マラソンで賑わう2月22日、マラソンなんかにはまるで関心を持たない大勢の観客が「我らの時代落語アルデンテ」を目指して日本橋三井ホールにつめかけた。
COREDO室町の4階にある瀟洒な三井ホールは素晴らしく音がいい。小さな音もよく拾う。
この日は今をときめく四人の落語家が競演した。
桃月庵白酒は声の良さを活かしてメロディーで笑わせる「浮世床」を聴かせ場内大爆笑を巻き起こす。
三遊亭兼好は巧みな話術でお金をごまかす「つぼ算」をさらりとやってのける。
仲入り後、春風亭百栄が二時間ドラマのお約束をすべて落語に置き換えた「船越くん」をひっさげお洒落な空間を池袋演芸場に塗り替える。
主任の春風亭一之輔が10才の息子に今も悪影響を与える談志のお言葉「学問は貧乏人の暇潰し」を嘆き、落語ファンを唸らせる。
息子の話から綺麗に「子は鎹」に入っていくあたりはさすが一之輔。
硬軟自在に盛り上げて泣かせる。
心地よい古典落語の世界に酔って会場を後にした。
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