●2015/5/3.日しもきた空間リバティ「渦35/謎渦」
岡町高弥
世間が黄金週間だなんだと騒いでいるニュースを横目で見ながら5月3日、下北沢リバティで行われた渦35「謎渦」に駆けつける。
謎渦?一体、何が謎なのか。
そこはかとないゆるい時間が流れていく。
いきなり登場した女クラウン、ラブリー恩田は一人芝居のようなもの。
フラフープを回しながら安来節の踊りに変わっていく、しかもレディガガの音楽をバックに。
独特の世界だ。
続いて、三味線弾き語り、現代版端唄を聴かせてくれる上野茂都が、ゆるさなの中にはっとさせられる言葉がちりばめられていて油断できない。
寄席の大看板ギター漫談、ペペ桜井はいつもと変わらぬ風情で「禁じられた遊び」の曲を弾きながら演歌を歌う。
落語家、瀧川鯉八は家族の不穏な心理を巧みに落語にした「藪の中」を好演。
満を持して登場した三木のり平の息子、小林のり一が軽い身のこなしで踊りながら高座に座る。
あまりにも三木のり平そっくりで仰天する。
どう見ても、三木のり平が目の前で演じているとしか思えない。
バカバカしいお座敷芸、小噺をこれでもかと語る語る。
「8月を訛って言えば初ガツオ」は笑った。
のり一芸としか言いようがない。
真夏のような陽気の中、謎渦で90分、濃密な不思議芸を堪能した。
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