●2016/1/22.金 三軒茶屋パブリックシアター
「二兎社公演/書く女/作・演出、永井愛」
岡町高弥
今一番旬な女優、黒木華主演の二兎社公演「書く女」(作・演出、永井愛)を三軒茶屋パブリックシアターで見る。
10年ぶりの再演で初演は寺島しのぶ。実力派女優の出世作だ。
物語は樋口一葉の一代記である。書いても書いても貧しくなるばかりの一葉。
半井桃水(平岳大)と出会い小説家としてデビューしていく。しかし、桃水との「厭う恋」、つまり、「苦しむ恋」から抜け出すために書いて書いて書きまくる24年の生涯。
一葉と歌塾「萩の舎」での女友達の関係、一葉を慕って集まってきた平田禿木、川上眉山、馬場胡蝶、批評家齋藤緑雨、とのかかわりなど短い場面の積み重ねでテンポ良く見せていく。
母親(木野花)や妹(朝倉あき)の支えで困窮しながらも書いていく一葉を黒木は好演する。
全編を通じて流れる林正樹生演奏のピアノが効果的だ。
それにしても黒木華のしなやかな芝居には驚いた。
彼女の魅力で2時間30分退屈しなかった。
ほとんど何もないシンプルな舞台も役者によい緊張感を与えていた。
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