深川江戸資料館
「第7回諸芸往来会 読み競べ!講談宝井三兄弟」
「劇」小劇場 グリング「旧歌」
横浜にぎわい座「ケーシー高峰と笑いの仲間」
イエスタデーエキスプレス
 「コラアゲンはいごうまん」ウィークリーライブ
鈴本上席夜の部 「トリ三遊亭白鳥」千秋楽
パルコ劇場「MIDSUMMER CAROL 
  〜ガマ王子VSザリガニ魔人〜」
なかの芸能小劇場「ペコちゃんあれやって!SP」
新宿ロフトプラスワン「バカ打ち上げ会場はこちら」
横浜にぎわい座「新作派による古典の会」
シアターアプル「空飛ぶ雲の上団五郎一座『キネマ作戦』」
「劇」小劇場「グリング」
鈴本演芸場上席(1-10日)夜席トリ出演三遊亭白鳥
鈴本演芸場上席夜の部 主任三遊亭白鳥
下北沢「劇」小劇場
シアターアプル「空飛ぶ雲の上団五郎一座『キネマ作戦』」
新宿明治安田生命ホール 「志の輔らくご 21世紀は21日」
「劇」小劇場 グリング「旧歌」【 じゃんけんみたい 】
花も実もあるパンク親父
国立演芸場「花形演芸会SPECIAL」
  平成15年度花形演芸大賞 受賞者の会
「みうらじゅんin 東京ドーム」 
  郷土LOVEってやつ。20時間ドームにいた。
千代田公会堂「柳家小三治独演会」
テレビ朝日「笑いの金メダルJr.くりぃむ杯」
お江戸日本橋亭「喬太郎跳ねる」其の六 喬太郎新作メドレー
しもきた空間リバティ「絹5」
歌舞伎座「十一代目市川海老蔵襲名披露 
  六月大歌舞伎 夜の部」

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7/13(火) 深川江戸資料館
「第7回諸芸往来会 読み競べ!講談宝井三兄弟」 

じむ福

昼間の暑さが嘘のよう、深川江戸資料館を出たときの涼しさにびっくりしました。
門前仲町での用事を今日に合わせ、用事を済ませた時点でも開演までまだ40分以上・・・なので、お不動さまをお参りした後、参道入口の伊勢屋(一人でも入れる甘味&食堂)で夕食をとり、(開演7時ですが)7時15分頃に資料館に到着しました。
神田ひまわりちゃんの「堀部安兵衛」が佳境に入っていました。
お客さんは6割くらい・・・「かわら版」に情報が載っていませんでしたが、このメンバー(琴柳、琴星、琴調=宝井ブラザース、前座・ひまわり、ゲスト・白崎映美<上々颱風>)だったら、告知があればもっと入ったのではないか・・・と思うのは、シロートでしょうか。
とは言っても、私のお目当てはゲストとスキンヘッド琴柳さま。
できれば、早目のお出ましを期待したのですが、ひまわりちゃんの後が琴調さんの「大岡政談」で、終わると「今日のみなさんのお目当て上々颱風の白崎映美さんを御呼びしますが、ちょっと準備がありますので、その間ちょっと・・・」と「つなぎトーク」が始まり、琴柳さんがトリであることを確認。やっぱり年功序列の出番。
さて、ゲストコーナー。
私は、「上々颱風」を観たことがないのですが、この会では、去年、リーダーがゲスト出演されたものの、ビジュアルに問題があるため、今年は「映美ちゃんに出てもらいました」とのことで、いつの間にか琴柳さんも舞台に出て、二人で漫才もどきトーク。
琴柳さん「上々颱風とは長い付き合いで・・・もう30年以上前に、本牧亭というところに上々颱風が出て、それ以来の付き合いなんですけど。今は亡き本牧亭の名物おかみが彼らの舞台を観て、『まぁ、この人たち寄席に合う楽隊だこと』って、すごいでしょう。楽隊って。」
準備ができて、白崎さんとピアノの近藤さんが登場し、歌いはじめて、場内にいい声が響きました。
ただ、マイクが・・・声が割れてしまってマイクなしでもよかったんじゃないかと、ちょっと残念でした。
3曲目のタイトルだけ覚えてきました。
「ハリセン・ローズ」
これは、小さな悪をハリセンで叩き潰す正義の味方「ハリセン・ローズ」を歌ったもので、コンサートでは客席に下りて、お客さんを叩くのだそうです。
でも、「今日は、宝井ブラザースの3人を叩きたい」とローズねえさん(白崎さんのことですが、この歌のときは、琴柳さんにそう呼ばれるらしいです)に言われて、嬉しそうな宝井ブラザース。
叩かれて、さらに大喜びの3人は、コーラス隊でもあり、「今日は講談のお稽古なし、歌に賭けてるらしいです」とローズねえさん。
みんな着物姿ですが、ハンチングの琴調さん、鳥打帽(昇太さんがよくかぶっている帽子って鳥打帽でよかったですか?)にサングラスの琴柳さん、いつものようにボサボサヘアーで、舞台姿と変わらぬ琴星さん。
なんか滝田ゆうのなりそこないみたいな、くたびれたおっさん3人によるコーラスは「_ハリハリハリ、ハリセン」の部分だけですが、楽しそうでした。
_ハリハリハリ、ハリセン 愛のお仕置き
_ハリハリハリ、ハリセン 不埒なやつらを
_ハリハリハリ、ハリセン センスのある
_ハリハリハリ、ハリセン 非情のライセンス
<ローズねえさんの科白>
 ひとつ、人の世の小さな悪を叩いてくれよう
 ハリセンローズ見参!
歌が終わって、三人がハケルと、「将来の人間国宝を叩いちゃいました」。
・・・なんか、白崎さん、やっと調子が出てきたようですが、最後の1曲になり、また、朗々と歌ってくれて、中入となりました。
コトボシくんは「牡丹燈籠(お札はがし)」でした。
怪談は苦手ですが、コトボシくんの口調なら恐くないんでした。
逆・人間国宝(一龍斎貞水)・・・後で上がった琴柳さん情報によるとコトボシくんは、還暦なんだそうです。
それはさておき、お目当て琴柳さんの登場は、9時をまわってしまい、
「今日は、もう時間も時間なので、皆様からお題をいただいてなぞかけでお開き・・・なんて」
とお茶目に笑い、
「そうそう、選挙見てて思ったんですけど、政治家は話術を磨くなら落語より講談を習った方がって思ったんですよ。気持ちよく嘘を聴かせるんなら講談」
講談について語るときの琴柳さんがカッコイイんです。
講談って、すっごくカッコイイもんなんだと思えるんです。
弟弟子二人のように、ソツなく講談のスタンダードナンバーに入るのかと思ったら、初めて聴く演目でした。
幕末の講釈師・石川一夢が主人公で、心中しようとする男女を助けてみたら、先輩講釈師・笹川某(忘れました)の息子とその恋人で、訳を聞くと、二人のためにどうしても百両が必要ということになり、思案の挙句、自分を贔屓にしている質屋の主人に工面を頼み、その質草に十八番の「佐倉義民伝」をとったというエピソードが中心です。
その後、日本橋魚河岸の若い衆が集まる四日市町の寄席で、「義民伝」の所望を受けたので、正直に事情を話して許しを請うと、事情を聴いたお客達は、魚河岸の心意気とプライドから二百両が集まり、すぐに質屋から請け出して存分に聴いたという・・・質草になるほどの代表作を持つ講釈師、粋な質草をとった質屋、息子を助けられた先輩講釈師の改心(いちぶを敵視し、彼の人気を快しとしていなかった)などなど、聴き心地のいい作品・・・これは、新作なんじゃないかと思うんですが、あくまで私の想像です。
ここ数年で、一番いい琴柳講談でした。
やっぱり「愛しのスキンヘッドさま」でした。

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