7/10 横浜にぎわい座「ケーシー高峰と笑いの仲間」
大塚工
腰椎狭窄症の手術からあまり日が経っていないので心配でしたが、
元気いっぱいの漫談で、場内爆笑の嵐でした。
「私は腰と心臓が悪いから、病名は子宮癌だ」
と言った瞬間、息が止まるほどの笑いを誘っていました。
どこまで信用していいのか判らない医事漫談ですが、高齢化社会とともに価値のある芸に成長してきたと思います。
若いころのケーシーさんは、主に夫婦生活の話が主流でしたが、今はすっかり枯れて、いかに老後を健康に過ごすかを、ジョークを交えながら観客にうったえている姿は感動的でした。
客席で咳払いが聞こえると、
「ちゃんと痰を切るように。年寄りは痰を切らないと石が貯まりやすい。これを胆石という」
などと言って、観客をいたわりながら話し続ける1時間でした。
日大の医学部に入学したはずのケーシーさん。
家族が全員お医者さんだったことに反発したのか、芸術学部に入り、寄席芸人の道を選びました。
両親はさぞ嘆いたことでしょうが、今になって健康に対する笑いの効果が明らかになるとともに、彼は立派に医療に貢献していると、きっと喜んでおられるでしょう。
私も鍼灸の免許を持つ、医療に従事する人間の端くれとして、ケーシーさんの生き方に大いに触発されたひとときでした。
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