2006.7.17 時事通信ホール
大銀座落語祭「春風亭昇太の牡丹燈籠」
にしき
プログラムには、
春風亭昇太の牡丹燈籠
春風亭昇太
「牡丹燈籠」
「マサコ」
林家二楽
「恐怖の紙切り」
でもこれ見て、この通りの順番だと思います?
開演時間になり、会場が暗くなると、小さめなホールの後ろの方のお客さんから、声が上がりました。
高座の後ろから、ヌッと手が。
前の方のお客さんからは、すぐには見えません。
「なになに?」と伸び上がる。
「よいしょ」と高座の後ろから出てきた私服の昇太さん。
幕がない舞台なので、開場前に隠れ、30分間お客さんの「昇太さんに『牡丹燈籠』って合わないよね」などという失礼な発言も聞きつつジーッと耐えていたとか。
独演会でやるように、前説的オープニングトークかと思いきや、高座の上に座り込んで「あ〜あ、失敗したな〜。こんな噺やりたくなかったんだよ」と「牡丹燈籠」をやることになった経緯と愚痴のモノローグ。
楽しかった「熱海五郎一座」のお芝居の日々。それに比べて落語の方は・・・。
「しょうがない、やるか」と高座の後ろに手を伸ばして着物を取り出すと、おもむろにシャツを脱ぐ。
下には肌襦袢。
長襦袢を羽織ってズボンを脱いで、銀ねずの着物姿に。
自分の出囃子、陽気な「デイビー・クロケット」が流れ始めたけれど、怪談噺には合わないと「お囃子さん、すいません、変えてください」。
舞台袖に入り、静かな出囃子にのって登場したときには、その上に羽織の姿でありました。
高座に座ると、すぐに噺の本筋に。
さっきとはうって変わって「落ち着いた口調の、落語家さん」じゃあありませんか。
自分の青春時代の話も入れつつ噺がいよいよ展開していこうとするところで、別の展開が待っていました。(自分でもラジオでも言ってましたから書いてもいいですよね?)重要登場人物「伴蔵(ともぞう)」と「おみね」の名前が出てこない。
と、おもむろに高座の後ろから、ノートを取り出しちゃいました。
一気に緊張が解けて場内爆笑。無事名前を確認すると、何食わぬ顔で噺に戻りました。
「『お札剥がし』の一席でございます」と頭を下げると、そこから「高座」はまだまだ続きます。
足をくずし「怖いの見ちゃったな〜」と、落語をテレビで見ていた男にスライド。
「あ〜、暑くて寝られない!!」と噺は「マサコ」へ。
空気は一変。笑わせて怖がらせて、そして紙切りの二楽さんにバトンタッチ。
昇太さんに「怖い紙切り」を頼まれたと、赤と緑の横縞の着物に黒の帽子をかぶり、爪をつけて「フレディ」になった二楽さん。はさみを持ってニヤリと笑う不敵な顔、怖いです。
あ〜本当にプラグラムどおりの順番だった!
最後は昇太さん、再び私服で登場、ご挨拶。
「大銀座落語祭、まだ他の会場でもやっています。ぜひ楽しんで・・」と“大人のコメント”で締めくくり、なんとも楽しませていただきました。
高座の後ろに潜むところから、全部で「春風亭昇太の牡丹燈籠」かな?
単独「牡丹燈籠」は、また独演会あたりで聴けるかもです。
top |